【Astlocal特別講演レポート】民泊を通じた地域共創の挑戦 静岡を観光で強くする
- PR・広報担当

- 8月1日
- 読了時間: 6分

弊社・株式会社HONE代表の桜井は、Astlocal株式会社の代表も兼務し、静岡を舞台に民泊事業を通じた地域の滞在体験のアップデートに取り組んでいます。
その活動の一環として、2025年7月23日、静岡市のコ・クリエーションスペースにて、Astlocal山本達巳さんとともに特別講演を実施しました。
本講演では、静岡が抱える観光課題を出発点に、民泊の可能性や事業展開のリアル、地域とのつながりの築き方について語りました。
本記事では、その講演内容のダイジェストとしてご紹介します。
目次
見えざる観光課題と事業機会
観光拠点としての静岡
必要な4つの準備
「資金調達」を超えた、地域とつながる仕組み
次なる挑戦、「Omachi」プロジェクト
なぜ静岡で民泊なのか?

見えざる観光課題と事業機会
講演の前半では、桜井氏が静岡県の観光市場をデータに基づいて分析内容を解説。以下のような課題が浮かび上がりました。
宿泊施設数は多いが、平均宿泊日数は2.4泊と短い
平均宿泊単価は新潟(約2万円)に比べて静岡(約7千円)と安価
東部に観光地が集中、中部・西部の観光資源は未活用
Airbnb上の民泊施設も中西部では少なく、「泊まる場所がないから来ない」可能性

特に中部・西部エリアは、民泊事業の空白地帯とも言えるエリア。「だからこそチャンスがある」と語ります。
参考:観光庁のデータ(2023年9月時点のデータ)
観光拠点としての静岡

2023年8月時点で、全国の民泊宿泊者数は前年比2倍の約86万人に達しました。 静岡県でも民泊ニーズは拡大しており、桜井は「県内の民泊市場は約10億円規模」と試算します。
静岡には、観光拠点としてのポテンシャルが数多くあります。
東西の主要都市とつながる交通利便性
「富士山」など検索ニーズの高い資源
茶道や角打ちなど、日本文化体験との相性
これらを活かすことで、単なる通過点ではなく、「連泊したくなる地域」へと進化できると語りました。
民泊事業立ち上げのリアル

観光振興や地域共創の可能性を語るうえで、実際に事業を立ち上げ、持続可能な運営体制を築くことは容易ではありません。
とくに静岡のように民泊事業の前例が少ないエリアでは、物件の確保から行政手続き、運営体制の整備まで、多くの見えにくい壁が立ちはだかります。
民泊立ち上げに必要な4つの準備と、その実践的アプローチをご紹介します。
必要な4つの準備
物件探しスキル
不動産の知識と経験
複雑な許認可対応
民泊運営マネジメント
物件探しのアナログ戦略
静岡市内で2000件を内見。1年をかけてようやく見つけた1棟。 重視したのは「大通りに面した視認性・アクセス性」と、修繕費などを見極める不動産×マーケティング視点の融合でした。
行政との粘り強い交渉
民泊の前例が少ない静岡市では、20回近く役所へ通い「前例がない」という壁を越えて許認可取得。 山本さんは「行政と敵対するのではなく、対話と理解を重ねることが大切」と語ります。
運営のマニュアル化
稼働率を最大化するため、業務は細かく分解・マニュアル化。動画や写真を活用し、誰が担当しても品質が担保される運営体制を構築しています。
クラウドファンディングの活用

「資金調達」を超えた、地域とつながる仕組み
クラウドファンディングを単なる資金集めの手段とは捉えていないと語ります。
プロジェクトを「ひらかれたかたち」で始動することで、地域と共につくりあげる事業の土台が築かれていきます。
実際に、以下のような多面的な効果がありました。
本気で事業と向き合う覚悟
プロジェクトを公に宣言することで、関係者や支援者に対して責任を明確にします。
「やると決めたからには、途中でやめない」。
その覚悟が事業を動かす原動力になり、また応援者からの信頼にもつながります。
民泊を盛り上げていく仲間(コミュニティ形成)
支援者は、ただの「お客様」ではなく「共創者」。
クラウドファンディングを通じて生まれるつながりは、運営を支える人材(ハウスキーパー、施工パートナーなど)との出会いにもつながり、地域での仲間づくりを加速させます。
活動報告を通じた関係性の深化により、リピーターや長期的な関係者が育っていくのも特徴です。
マーケティング力の向上
支援を集めるには、企画の伝え方・プロモーション戦略が欠かせません。
プロジェクトの構成や文言、SNSでの情報発信、プレスリリースなどを自社で設計・運用する中で、マーケティングスキルを実践的に磨いています。
クラウドファンディングの成功は、その後の銀行融資や行政連携、メディア取材にもつながります。
実際にAstlocalのクラウドファンディングが成功したことで、県庁や自治体からの広報協力や取材依頼が増加。地域内外からの信用にもつながりました。
民泊施設「Fujiya(ふじや)」の戦略

Astlocalが初めて手がけた民泊施設「Fujiya」は、静岡市・用宗(もちむね)の古民家をリノベーションしたプロジェクト。 クラウドファンディングでは245名の支援者から約500万円を集め、地域内外から注目を集めました。
成功の背景には、「空中戦」と「地上戦」の両輪による広報戦略があります。
SNSやnoteでの発信、メディア掲載(空中戦)
壁塗りイベントやチラシ配布、ボランティア募集、ポスティング(地上戦)
地域の理解と信頼を得ながら、単なる「宿」ではなく、「まちと関わる場所」を育ててきました。
次なる挑戦、「Omachi(おまち)」プロジェクト
現在Astlocalでは、2棟目となる民泊施設「Omachi(おまち)」の立ち上げが進行中です。 静岡駅から徒歩約16分、天王町にある築60年の古民家を改修し、10名以上が宿泊可能な中規模施設として整備を進めています。
「Omachi」は、静岡弁で「街中(まちなか)」を意味する言葉。 地域との距離が近く、まちの一部として機能する拠点を目指しています。
観光・ビジネス・まち歩きの中継地点として、宿泊を通じた地域回遊のハブになることを想定。
現在クラウドファンディングを通じて支援を呼びかけています。
クラウドファンディングはこちら
おわりに 地域とのつながりを育てる

今回の講演は、民泊という切り口から静岡の観光市場を見直し、地域に新たな滞在の選択肢をつくる実践にあふれた時間となりました。
Astlocalの挑戦は、単なる宿泊施設の運営にとどまらず、「地域の魅力を可視化し、関わる人を増やしていく仕組みづくり」です。
課題を正面から捉え、制度や立地といった障壁を一つずつ乗り越える姿勢。
共に事業を育てる仲間を募るアプローチは、これからの地域共創のあり方を体現しています。
HONEについて
HONEでは、地方企業さまを中心に、マーケティング・ブランド戦略の伴走支援を行なっています。事業成長(ブランドづくり)と組織課題(ブランド成長をドライブするための土台づくり)の双方からお手伝いをしています。
私がこれまで会得してきた知識・経験を詰め込んだ「3つのサービスプラン」をご用意しており、お悩みや解決したい課題に合わせてサービスを組んでいます。ご興味のある方は、ご検討いただければと思います。
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