【レポート】Makuake Challenger’s Meetup 2025〜ターゲットを絞らないマーケティング設計術~
- PR・広報担当
- 7月24日
- 読了時間: 8分
2025年7月18日、東京・品川グランドホールにてMakuake Challenger’s Meetup 2025が開催されました。
今回、弊社代表・桜井貴斗は、テーマ別インタラクティブセッションに登壇。 「ターゲットに届くマーケティング設計術」をテーマに、ワークショップ形式セッションを実施しました。
「誰に売るか」ではなく、「どんな瞬間に思い出されるか」。
そんな視点からマーケティングを捉え直すヒントを、参加者が自ら手を動かしながら体験する実践的なセッションとなりました。

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CEP(カテゴリー・エントリー・ポイント)とは何か?
「シーン」を組み立てる
商品開発事例ー「RAKURAKU OIMO」
多くの買う理由を作る
CEP設計の時に、複数のターゲットが存在しているときどうしたらよいでしょうか?
クーラーボックスでの場合は?
リピーター重視か?拡張性重視か?
顧客の「思い出すきっかけ」から考えてみる

商品やサービスは、ただ優れているから選ばれるわけではありません。
人が何かを購入する背景には、必ず「ある状況」や「感情の動き」があります。つまり、商品が選ばれるには「思い出してもらえる瞬間」が必要です。
この「瞬間」を設計することで、顧客の行動や感情に寄り添い、「あ、これが必要だ」と思い出してもらえる体験が生まれます。
なぜ「属性」では届かないのか?
従来のマーケティングでは、「20代女性」「子育て世代」「サラリーマン」など、年齢や性別、職業といった属性にもとづいたターゲティングが一般的でした。
しかし現代は、同じ属性に属していても、価値観もライフスタイルも変化しています。
たとえば「20代女性」といっても、
旅好き、引きこもり気質、自然志向、都市派、など。
「属性」というラベルでは、人の今この瞬間の気持ちや行動を捉えることが難しくなってきています。
マーケティングが向き合うべきは、人の一日や心の動きの中にある「ふと必要になる瞬間」この「思い出すきっかけ」を体系化したものがカテゴリーエントリーポイント(CEP)です。
CEPとは何か?
CEP(カテゴリーエントリーポイント)とは、新しい市場に参入する際や、新商品・サービスを展開する際に、「特定のカテゴリー(シーン)」を明確に設定することで消費者の心に強く印象を残すための戦略的なアプローチです。
例えば「炭酸飲料が飲みたい」と感じた瞬間に「コーラ」が浮かぶ。
このような印象を作ることが、CEPの目的です。
▼合わせて読みたい👐 カテゴリーエントリーポイント(CEP)とはなにか?事例、参考になる本/書籍を紹介
「シーン」を組み立てる
シーンとは、商品が必要とされる「感情」や「行動」を含めたきわめて具体的な状況です。
「食事の後」「ひとりで集中したい午後」
「眠れない夜に心を落ち着かせたいとき」など、
思い出される瞬間には、その人の生活に流れる習慣が濃く現れます。
こうしたシーンを出発点にすることで、マーケティングは単なる「売るための仕掛け」ではなく、「必要とされるための設計」に変わります。
その設計精度を高めるために活用されるのが、「W'sフレームワーク」です。
W’sフレームワーク
これは、以下の7つの要素で構成されます。

7つの「W」──Why/When/Where/While/With(for Whom)/With What/How(Feeling)の切り口で質問を投げかけ、消費者がカテゴリーを想起する様々なシチュエーションを漏れなく整理します。

当日のワークショップでは、参加者自身が「顧客の実際に商品を使うシーン」を深掘りするための思考ツールとして、W’sフレームワークを体験。
桜井は、静岡県御前崎市の老舗茶農家・ヤマウメとともに開発した干し芋商品「RAKURAKU OIMO」の事例を紹介しながら、実際にどうやってそのフレームワークを活用し、さまざまな「買う理由=CEP(カテゴリー・エントリーポイント)」を設計していったのかを解説。
商品開発事例ー「RAKURAKU OIMO」

「RAKURAKU OIMO」は、静岡県・御前崎市の老舗茶農家・ヤマウメが手がける、干し芋の商品一口サイズのやわらかい干し芋キューブで、手を汚さずに気軽につまめる設計。 無添加・砂糖不使用・食物繊維豊富で、ダイエット中のおやつや子どものおやつ、アウトドアのお供にもぴったりです。
多くの買う理由を作る

子供向け
持ち歩き用
仕事中
グルテンフリー
あらゆる買う理由(シーン)を軸に買う理由を設計することによって開始一日でクラウドファンディング達成率132%を超え、一週間で2,000袋以上の販売を記録するヒット商品につながりました。
「RAKURAKU OIMO」では、以下のような具体的なCEP

子どものいる主婦 × 「お出かけの際の子ども向けのおやつ」 × 一口大で手軽、バッグに入れやすい設計
ダイエット中の人 × 「小腹が空いたけど罪悪感は持ちたくない」 × 無添加・グルテンフリーで満足感のある自然な甘み
仕事中のOL × 「デスクワーク中に少しつまみたい」 × 手が汚れず、匂いもなく、健康的に満たせる
グルテンフリーユーザー × 「安心して食べられるおいしいおやつが少ない」 × おいしさと機能性を両立した無添加スナック
一見すると、複数のターゲットに分けてアプローチしているように見えますが、商品開発においては「属性」ではなく「生活の中のシーン」から設計するという考え方がポイントになります。
これらの事例から見てみると、「RAKURAKU OIMO」は単なる「干し芋」としてではなく、
さまざまな生活シーンの中で自然と思い出されるように設計されていることがわかります。
商品自体の魅力だけでなく、使われる場面を丁寧に想像し、その文脈に寄り添うこと。
それこそが、顧客にリピートされやすく、かつ選ばれ続ける商品の条件なのです。
質疑応答
セッション後半では、ワークショップを通じて実際の現場でマーケティングに取り組む立場であるからこそ生まれる質問がいくつも寄せられました。

CEP設計のときに、複数のターゲットが存在しているときどうしたらよいですか?
複数のターゲットが存在していても、その人たちがどんな場面で商品を必要とするか?どんな価値を求めているのか?を軸に整理することで、効果的なマーケティング設計が可能になります。
クーラーボックスでの場合は?
クーラーボックスでのシーンは、「家族でのピクニック」や「友人とのバーベキュー」など、特定の瞬間においてその存在が思い出されることが、購入の決め手となります。同じクーラーボックスでも、「子どもがいる家庭」「ソロキャンパー」「釣り好きな中高年」など、複数のターゲットに対して、それぞれの使い方(=CEP)を丁寧に設計するべきと桜井は解説。

リピーター重視か?拡張性重視か?
ここで考えなければならないのが、「リピーター重視」か「拡張性重視」かという戦略の方向性です。

リピーター重視 既存のユーザーが何度も使いたくなるような体験価値を高めていく必要があります。たとえば「毎週末の家族レジャー」や「月1の釣り遠征」など、定期的にそのシーンが訪れるターゲット層に向けて、機能面だけでなく、感情面の安心や習慣化を促すアプローチが有効。
拡張性重視 より多くのシーンを想定し、それぞれに応じたCEPを丁寧に設計していく必要があります。たとえば、最初は「子どもの運動会で活躍するクーラーボックス」だったものを、「キャンプ女子が映える写真を撮れるアイテム」や「災害時の備蓄アイテム」といった文脈の広がりをもって、マーケットを開拓。
さらに、売上目標や競合との優位性も設計の指針になります。
「どれくらい売りたいのか?」という目標に応じて、深掘りするか拡げるかを判断し、競合が提供していない価値(たとえば洗いやすさや保冷時間の長さ、もしくは見た目のデザイン)を、特定のシーンの中で際立たせることが重要です。
Makuake Challenger’s Meetup 2025 登壇を終えて
今回のセッションでは、「カテゴリーエントリーポイント(CEP)」を軸に、ターゲットに届くマーケティング設計について解説いたしました。
届けたい相手を絞るのではなく、どんなシーンで買うか、を考えることで、自然と選ばれるプロダクト作り。

そんなマーケティングの視点を、ワークを通じて体感いただけたのではないかと思います。
ご参加いただいた皆さま、マクアケの皆さま、ありがとうございました!
最後に(HONEのサービスについて)
HONE社ではCEPを活用し、日々課題に向き合っています。
当社では、地方企業さまを中心に、マーケティング・ブランド戦略の伴走支援を行なっています。事業成長(ブランドづくり)と組織課題(ブランド成長をドライブするための土台づくり)の双方からお手伝いをしています。
私がこれまで会得してきた知識・経験を詰め込んだ「3つのサービスプラン」をご用意しており、お悩みや解決したい課題に合わせてサービスを組んでいます。ご興味のある方は、ご検討いただければと思います。
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。
【記事を書いた人】

株式会社HONE
代表取締役 桜井貴斗
札幌生まれ、静岡育ち。 大学卒業後、大手求人メディア会社で営業ののち、同社の新規事業の立ち上げに携わる。 2021年独立。 クライアントのマーケティングやブランディングの支援、マーケターのためのコミュニティ運営に従事。
※本記事は一部AIを活用して執筆しています。