【イベントレポート】「現場に立つマーケター」として生きる─HONE代表・桜井貴斗のキャリア遍歴
- PR・広報担当

- 7月24日
- 読了時間: 7分

2025年7月22日、静岡市のコ・クリエーションスペースにて「経験者に学べ!しくじり先生シリーズVol2」が開催されました。今回の講演は、株式会社HONE代表/マーケターの桜井貴斗が登壇し、これまでのキャリア、起業の背景、そして地域との向き合い方について語りました。
桜井は、静岡県内外でマーケティング支援や民泊事業を展開する起業家であり、離島や過疎地へ足を運ぶ「現場主義」を貫く実践者でもあります。
本レポートでは、数々の挑戦と困難に満ちた波瀾万丈なキャリア遍歴をお届けします。ぜひ最後までご覧ください。
株式会社HONEでは過去のセミナー資料、お役立ち資料、会社紹介資料がダウンロードできます。

大学時代と社会人初期

大学時代は、ケンタッキーフライドチキンで4年間アルバイト。ほぼ毎日フライドチキンを食べていたとのこと。大学にはあまり通わず、アルバイトと読書に没頭。新卒で入社した求人広告会社では、当初は会社のブランド力に助けられて営業成績も好調でした。しかし2年目以降はやる気を失い、締切の火曜日以外はサボるように。
「それだけ会社のブランドが強かった証拠」と、今では振り返ります。
新規事業開発での苦悩
4年間の営業経験を経て、ペット向けフリーペーパー事業の立ち上げに参画しました。
ブランド力も営業リストもないゼロからのスタートで、高い売上目標があり、1日150件のテレアポと週100件の訪問を2年間続ける日々が続きました。
しかしなかなか成果が出ず、周囲から厳しい指摘を受ける場面も多く、次第に自信を失っていったといいます。プレッシャーにより、オフィスに戻るのも気が重くなり、自ら広告費を立て替えてでも結果を出したいと考えるほど追い込まれていた時期もありました。
桜井は、こうした極限状態での経験が、今の自分を支える強さの礎になっていると振り返ります。
MBAでの転機

20代後半、知人に紹介されてMBAに通い始め、グロービス経営大学院で学びました 。当時のMBAの参加者は30代半ばから40代の管理職が多く、年上の大企業の幹事社と共に学ぶ中で、当初はついていけないことに苦悩しました 。
しかし、ここで「商品の問題もある」という自身の考えが間違っていなかったと気づき、心が軽くなったと語ります 。異なるコミュニティに属することで、会社での自己否定から抜け出すきっかけとなりました。
Webマーケティング代理店事業と組織との衝突
その後、ペット事業責任者を経て、地方での需要の高まりを受けてWEBマーケティング代理店事業を立ち上げました。事業は順調に成長していきましたが、組織内では価値観の違いも見えるようになっていきます。
桜井は、将来を見据えた組織づくりや中長期的な戦略の必要性を提案していましたが、組織の向かう方向は現場の即効性や売上目標の達成を優先する傾向がありました。方向性の違いから、意見がすれ違う場面も増えていきます。
この一連の経験が、桜井にとって独立を考える大きな転機となりました。
独立と現在の事業「HONE」

2021年のコロナ禍、貯金が20万円しかない状態で独立を決意 。当時ひと月の支出は30万円。そんな追い詰められた状況の中で、コロナ融資を活用し、フリーランスとして活動を始めました。
当時、X(旧Twitter)のフォロワーが1万人ほどおり、独立後も仕事の依頼があったことが幸いしたといいます 。
また、マーケティングの副業サービスなどを活用し、時給が高くない仕事でもがむしゃらに取り組み、月50〜60万円を稼いで生活を立て直しました 。2021年8月には株式会社HONEを設立し、現在に至ります 。
民泊事業「Astlocal(アストローカル)」
現在は、民泊事業の「Astlocal」の経営も行っています 。静岡市の用宗で古民家を改修した民泊を3月にオープンし、順調に稼働しています 。民泊はホテルとは異なり、一棟貸しで無人で運用するスタイルです 。宿泊費から手数料を引いた利益率は高く、特に夏期は売上がピークになります。条例などで参入障壁は高いものの、一度軌道に乗れば利益が残りやすいビジネスです 。
現在、静岡市の天王町でも築60年の空き家を600万円で購入し、リフォーム費用にかかる想定の300〜400万円をクラウドファンディングで集め、総額約1000万円で2棟目の民泊事業を進める予定です 。
地域に根ざしたマーケティング支援

桜井は、全国各地、時には離島にも足を運ぶ「現場主義」を貫いています。
「現場に行かないとはじまらない」という信念のもと、地域の文化や事業を未来へ残すための支援を続けています。
交通費や移動の負担が大きくても、それを厭わないのは、「誰もやらないけれど、必要なことをやりたい」という想いから。
今は必ずしも収益につながらなくても、「いつかはそれを価値として、持続可能な形にしていかなければならない」と語る姿には、強い使命感がにじみ出ています。
マーケターによる地方創生と政治
過疎地域や離島での活動は、人口減少がより進む地域の「課題の先進地」と捉えており、自身の知見が今後静岡のような政令指定都市でも必要になると考えていると話していました。
政治家になることは考えていないとしながらも 、民泊事業を通じて、条例が事業に与える影響を痛感し、「政治しか変えられない問題もある」との見解を示しました。
ローカルプレイヤーに求められるスキル
「ローカルプレイヤーズ」というスクールも主宰。
地域で働くための9つのスキルを体系化し、実践知として伝えています。

特に、社会に良いことをしながらも収益を上げる「道徳なき経済は犯罪 経済なき道徳は寝言」という考え方を重視しており 、社会性と経済性を両立させることの難しさと重要性を強調しました。
社会性と経済性の両立を追求する姿勢に、多くの参加者が刺激を受けています。
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インターン生より 底を経験することで得られる強さ
こんにちは!イベントに参加し、記事を作成させていただいたHONEインターンの森です。
今回のお話しを聞き、「底を経験することの意味」を深く実感しました。
過去には営業成績不振で人格を否定され、鬱のような状態になったこともあると語られていました。さらには、支払いにも苦しんだ時期もあったそう。
そのような厳しい状況を経たからこそ、今の言葉には厚みと説得力があり、人を惹きつける強さにつながっているのだと思います。
私も、困難を避けるのではなく向き合う勇気を持ちたいです。桜井さんのように、経験を力に変えて歩む姿勢を見習いたいと感じました。
HONEについて
HONEでは、地方企業さまを中心に、マーケティング・ブランド戦略の伴走支援を行なっています。事業成長(ブランドづくり)と組織課題(ブランド成長をドライブするための土台づくり)の双方からお手伝いをしています。
私がこれまで会得してきた知識・経験を詰め込んだ「3つのサービスプラン」をご用意しており、お悩みや解決したい課題に合わせてサービスを組んでいます。ご興味のある方は、ご検討いただければと思います。
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