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【フレームワーク公開】サイエンス・クラフト・アートの往復から、独自のマーケティングコンセプトをつくる検討シート

  • 2 分前
  • 読了時間: 10分
青紫の背景に、左へマーケティング検討シートの見本、右に「独自のマーケティングコンセプトをつくる 検討シート」の大見出し。

マーケティングの戦略やコンセプトを考える際、「データに基づいた最適解」を求めた結果、競合と同じような訴求になり、コモディティ化や価格競争に巻き込まれてしまう…。


そんな課題を感じたことはないでしょうか。


今回は、「サイエンス・クラフト・アート」の3つの視点を往復しながら、記憶に残り、ブランドらしさを持った独自のコンセプトを導き出すための「マーケティングコンセプト検討シート」を作成しました。


本記事では、このシートの背景にある考え方と、各項目の使い方について解説します。


「マーケティングコンセプト検討シート」の白い記入用テンプレート。サイエンス・クラフト・アートや対話、コンセプト案、実装・検証の空欄が並ぶ。
マーケティングコンセプト検討シート ©️HONE




コンセプトを支える「サイエンス・クラフト・アート」とは?


本フレームワークの核となる3つの視点は、それぞれ以下のような役割を担っています。


サイエンス(定量・データ)= 網羅性

市場・顧客・競合データや定量的な分析など、事実に基づいて市場の全体像や機会を網羅的に捉える視点です。


クラフト(事業経験)= 確実性

現場での実務経験、実際に売れている理由、社内の強みや制約など、データには表れない「現場の確実な事実」を捉える視点です。


アート(想い・美意識)= 代替不可能な引力

顧客の言葉にならない違和感、ブランドが大切にしたい美意識など、数値では証明できない直感や世界観をつくる視点です。


これら3つの視点を掛け合わせることで、独自のコンセプトを形作っていきます。では、なぜこの3つを往復することが不可欠なのでしょうか。




なぜ「サイエンス」だけでは同質化するのか


マーケティングにおける「サイエンス」とは、定量データや市場分析、顧客理解、競合比較など、事実に基づいて考える視点です。


  • どのような顧客がいるのか

  • どのようなニーズやCEP(カテゴリーエントリーポイント)が存在しているのか

  • 市場にはどのような機会があるのか


こうした情報を網羅的に捉えることで、コンセプト検討の土台をつくります。


しかし、サイエンスの視点だけで導き出した答えは、誰が見ても同じ結論にたどり着きやすくなります。データから導かれる最適解は、競合にとっても最適解であることが多いためです。


結果として同じ顧客、同じ場面、同じ訴求に多くの企業が集まり、機能比較や表現のコモディティ化が起きてしまいます。


そこで必要になるのが、「クラフト」と「アート」の視点です。



現場の「確実性」を捉えるクラフトの視点


クラフトとは、現場で積み重ねてきた経験や実務感覚のことです。


  • 実際に売れている理由

  • 顧客との接点で起きていること

  • 社内の強みや制約

  • 再現可能な勝ち筋


これらは、机上のデータだけでは見えない現場の確かな事実です。


サイエンスが「網羅性」を担うとすれば、クラフトは「確実性」を担っていると言えます。現場主義に基づく手触り感のある情報が、コンセプトに現実的な推進力を持たせます。



代替不可能な引力を生み出す「アート」の視点


そして、マーケティングにおいて最も見落とされやすいのが「アート」です。 ここでいうアートとは、単なる感性やデザインの話ではありません。


  • 言葉になる前の違和感

  • 顧客の中にあるモヤモヤ

  • ブランドとして大切にしたい美意識

  • まだ数値では証明できないが、確かに惹かれる感覚


アートは、他社が簡単には真似できない意味や世界観を生み出します。サイエンスが網羅性をつくり、クラフトが確実性をつくるなら、アートは「代替不可能な引力」をつくるものです。


ただし、アートはすぐには証明できません。数値で裏づけられず、過去の成功パターンにも当てはまらないため、最初は曖昧に見えます。だからこそ、多くの組織では、アートの芽が出てもすぐに「わかりやすい正解」や「説明しやすいロジック」に回収されてしまいます。



矛盾と違和感に向き合い、CEPへ翻訳する


本当に強いコンセプトは、最初からきれいな言葉として現れるわけではありません。 むしろ、サイエンスとクラフト、クラフトとアート、アートとサイエンスのあいだにある矛盾や違和感を丁寧に扱うことで、ようやく見えてくるものです。


「マーケティングコンセプト検討シート」の白い記入用テンプレート。サイエンス・クラフト・アートや対話、コンセプト案、実装・検証の空欄が並ぶ。
マーケティングコンセプト検討シート ©️HONE

このシートでは、すぐに分かりやすい答えを出そうとせず、不確実性に耐える「ネガティヴ・ケイパビリティ」の姿勢を重視しています。


  1. サイエンスによって市場や顧客の構造を捉える

  2. クラフトによって現場で起きている事実を確認する

  3. アートによって言葉にならない感情や美意識を掘り起こす


そのうえで、3つの視点のあいだにある矛盾やズレを対話しながら、顧客のモヤモヤを意味に変え、具体的なCEP(カテゴリーエントリーポイント)へと翻訳していきます。


目指すのは、単なる「売れる訴求」ではなく、顧客の記憶に残り、ブランドらしさを持ち、競合とは異なる理由で選ばれるためのコンセプトです。ぜひ、日々のマーケティング実務やプロジェクトの議論にご活用ください。


▼参考記事:カテゴリーエントリーポイント(CEP)とはなにか?事例、参考になる本/書籍を紹介




【テキスト書き起こし】マーケティングコンセプト検討シート


シート内の各項目をテキスト化しています。社内でのドキュメント作成や、ワークショップ用のフォーマットとしてご活用ください。


■全体テーマ

  • 日付:

  • プロジェクト / テーマ:

  • メンバー:


■コンセプト案

  • 誰の:

  • どんなモヤモヤを:

  • どんな意味に変え:

  • どんなCEPに翻訳するか:

  • 一言でいうと:


■実装・検証

  • 打ち手案:

  • 想起させたい場面(CEP):

  • 検証指標:

  • 次の実験:


■3つの視点

【サイエンス(定量・データ)】 事実 / 分析 / エビデンス / 網羅性

  • 市場・顧客・競合データは?

  • どのCEPが見えているか?

  • 何が定量で裏づけられるか?


【クラフト(事業経験)】 経験 / 現場感 / 実務 / 確実性

  • 現場で本当に起きていることは?

  • 勝ち筋と制約は何か?

  • 再現できるやり方は?


【アート(思い・美意識)】 直感 / 違和感 / ビジョン / 代替不可能な引力

  • 言葉にならないモヤモヤは?

  • 何に惹かれるのか?

  • どんな世界観をつくりたいか?


■対話・矛盾の発見

  • 矛盾・ズレ・違和感を、すぐに消さない

  • サイエンス × クラフト

  • クラフト × アート

  • アート × サイエンス


■ネガティヴ・ケイパビリティ

  • 不確実性に耐える

  • すぐに単純化しない

  • モヤモヤの手触りを残す

  • 拙速な正解に逃げない


■結論

  • サイエンス=網羅性

  • クラフト=確実性

  • アート=代替不可能な引力



最後に


コンセプトづくりは、最初からきれいな一直線で進むことはほとんどありません。現場のリアルな事象(クラフト)と、客観的なデータ(サイエンス)、そしてブランドの意志(アート)を行き来する泥臭いプロセスの中にこそ、独自の価値が隠されています。


この「マーケティングコンセプト検討シート」は、単に空欄を素早く埋めて完成させるためのものではなく、チーム内で対話を生み出し、矛盾や違和感を深掘りするためのツールです。


ぜひ、日々の会議やワークショップの場に持ち込んでいただき、自社ならではの「代替不可能な引力」を見つける手がかりとして活用してみてください。



HONEは地域に根ざし、現場に足を運ぶ地方マーケティング会社です。


日本の地方には、魅力的な商品・サービスがたくさんあります。


地方に根ざしたブランドの志や文化、人々の誇りや営み。HONEはそうした人たちの想いを価値に変えるべく、現地に出向いてきました。 私たちは、文化と経済の「骨」を設計し、地域の「らしさ」を未来へつなげる仕組みを育てます。 論語と算盤。想いと仕組み。美学と実行力。 その両立を、マーケティングの力で実装していきます。


HONEは地域に根ざし、現場に足を運ぶマーケティング会社です。


▼HONEにできること


語られていない価値の「骨」を探す

商品や地域の中にある「想い」や「背景」は、まだ言語化されていないだけかもしれない。 それらを丁寧にすくい上げ、ブランドの芯として翻訳します。 見落とされがちな隠れた価値に役割を与えることが、事業の骨格をつくるはじまりです。


現場に入り、五感を使って「骨」を磨く

戦略も仕組みも、現場を歩き、対話することから始まります。 地形、歴史、空気、人の言葉やまなざし。デスクリサーチでは捉えきれない情報を五感で受け取り、定量と定性、論理と情緒、ロマンとそろばんを掛け合わせて、設計に落とし込みます。


手を動かしながら、「骨」を強くする

支援とは、プランを出して終わりではありません。 現場に入り、泥臭く、時に失敗しながら共につくりあげていきます。 頭で考えて、手足を動かす中で生まれる「実感」こそが、骨を太くし、しなやかに持続する構造を育てていきます。


文化となる「骨格」を、未来へ残す

目指すのは、ただ売ることではありません。 地域に根ざした文化や営みに芯を通し、事業として持続可能なかたちに育てていくこと。短期的な成果ではなく、関わる人たちの誇りとなり、語り継がれていく仕組みをデザインします。 HONEは、経済と文化をつなぐ骨を共につくり、未来へと残していきます。


▼HONEにできること


▼HONEの強み


01/一貫サポート

戦略設計から実行〜検証まで。経営課題の整理から、現場を動かす具体的な仕組みづくりまでを、一貫して支援します。リサーチ・企画・実装・振り返りのすべてに伴走し、商品・サービスの価値を再定義しながら、現場に根づく事業を共につくります。目指すのは、短期的な成果だけでなく、文化が息づき、長く続く事業と地域のかたちです。


02/現場主義

デスク上、リモートワークでは見えない、地域の空気や人の温度に触れる。HONEは現地に足を運び、実際に現場の風景・人の営みに向き合いながら、これまでの現場で得た経験則を元に戦略・戦術に反映していきます。現在起こっている事実に基づく分析はもちろんのこと、解釈に現場の五感で得た気づきを重ね合わせ、実装へとつなげていきます。


03/全国実績

北は北海道、南は沖縄まで、一次産業から観光、教育、行政、ベンチャー、スタートアップ、アトツギなど、多種多様なプロジェクトに携わってきました。たくさんの地域を見てきたからこそ、それぞれの良さに気づくことができます。そして土地に根付くその事業の「らしさ」を、より鮮明に見つけることができます。全国各地で積み重ねた知見を、次の挑戦に活かします。


04/産学官連携

企業・教育機関・行政と手を取り合い、対話を重ねながらプロジェクトを推進しています。 単なる連携にとどまらず、それぞれの立場が持つ知見や資源を持ち寄り、地域に根ざして実装していくこと。 現場での実践と、学びの場での理論、そして制度や仕組みをつなぐ橋渡しとして、多様なセクターの信頼を得ながら取り組みを展開しています。


▼HONEの強み


なぜ今、“地方”でマーケティングが必要なのか


マーケティングという言葉には、しばしば「スケールする」「売上を伸ばす」といったイメージが付きまといます。しかし、地方において本当に必要なのは、そうした直線的な成長だけではありません。人口減少、担い手不足、そしてインフラや情報環境の未整備。多くの地域が、さまざまな制約の中で日々の営みを続けています。


制約が多いからこそ、その土地に根ざした価値を継続し、文化や人々の想いを循環させていくための工夫が欠かせません。マーケティングの論理をそのまま持ち込むのではなく、人肌を大切に、想いを大切に、未来へとつなげていく。実装力と創造力を備えた「地方のマーケティング」が必要です。


なぜ今、“地方”でマーケティングが必要なのか


地方に必要なのは、「地域理解」


こうした現場においてまず必要なのは、「何をどう売るか」よりも先に「この地域には何があるのか」「何を残していきたいのか」を知っていく姿勢。つまり「地域理解」です。ブランド構築の土台を固めるには各レイヤーごとに把握すべきポイントを理解することが重要です。


地方に必要なのは、「地域理解」

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最後までお読みいただき、ありがとうございました。


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【記事を書いた人】


プロフィール

株式会社HONE

代表取締役 桜井貴斗


札幌生まれ、静岡育ち。 大学卒業後、大手求人メディア会社で営業ののち、同社の新規事業の立ち上げに携わる。 2021年独立。クライアントのマーケティングやブランディングの支援、マーケターのためのコミュニティ運営に従事。

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