まちづくりコンペで地域を変える!成功事例とアイデアを解説
- 桜井 貴斗
- 3月13日
- 読了時間: 10分
更新日:3月30日

「地域活性化の鍵」として注目される「まちづくりコンペ」。地域課題を解決するアイデアを競い合い、実現可能なプランを生み出すこの取り組みは、地方自治体や中小企業、学生にとって新たな可能性を広げてくれます。
本記事では成功事例や実践的なアイデア、限られたリソースでの効果的な施策を紹介し、地域を元気にする第一歩を提案します。
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目次
メリット
デメリット
令和6年度都市景観大賞「都市空間部門・大賞」
第1回先進的まちづくり大賞「国土交通大臣賞」
事例から何を得られるのか
まちづくりコンペとは?地域活性化の可能性

地域の新たな可能性を見出す「まちづくり」のコンペ。地方自治体や中小企業、学生がそれぞれの視点でアイデアを競い合い、地域活性化の実現に向けた具体的な計画を生み出す場として注目されています。
本記事では、まちづくりコンペに参加する意義やそのメリット・デメリットを提示し、さらに成功事例を通じて得られる学びや次なる行動の活用方法を解説します。
私たちが地域を元気にするためのヒントをお届けします。あなたの地域を変える第一歩を、ここから始めてみませんか?
まちづくりコンペに参加する意味はあるのか?

まちづくりコンペは、地域課題を解決するためのアイデアを競い合う場として注目されています。では、参加することでどのような価値が得られるのでしょうか?
地方自治体や中小企業、学生にとって、メリットとデメリットを正しく理解することは重要です。
本セクションでは、まちづくりコンペに参加する意義を深掘りし、地域活性化や自身の成長につながる可能性を探ります。あなたの地域や活動にとって、参加する価値があるのかを一緒に考えてみましょう。
▼メリット
まちづくりコンペに参加するメリットはいくつかあります。

地域課題を解決するアイデアを形にする機会を得られる。
地方自治体や中小企業、学生にとって、普段は実現が難しいプロジェクトを提案し、実際に地域活性化につながる可能性を広げられるのは大きな魅力です。
参加者同士の交流を通じて、新たなネットワークを築ける。
異なる分野の専門家や同じ志を持つ仲間と出会うことで、視野が広がり、今後の活動に役立つ貴重な知見を得られるでしょう。
参加者自身のスキルアップにつながる。
課題解決力やプレゼンテーション能力、プロジェクトを進める実践的なスキルを磨くことができます。学生や若手の社会人にとってはキャリア形成の一助となります。
自分たちのアイデアが地域社会に貢献し、実際に形となる可能性を考えた時の達成感は、他では得られない特別な体験です。まちづくりコンペは、地域を変えるだけでなく、参加者自身の成長や未来を切り開くきっかけとなる場になるのです。
▼デメリット
メリットがある一方で、いくつかのデメリットも存在します。これらを理解しておくことで、参加する際のリスクを最小限に抑えることができます。

時間やリソースの負担
アイデアの立案や資料作成、プレゼンテーションの準備など、多くの時間と労力が必要になります。地方自治体や中小企業のように限られた人員で運営している場合、日常業務との両立が難しくなることがあります。
採用されない可能性
優れたアイデアを提案しても、審査基準や他の参加者との競争によって採用されない場合もあります。参加者にとってはモチベーションの低下や、時間を費やした不満が生じます。
実現性の課題
採用されても、予算や人材の不足、地域住民の理解や協力が得られない場合、せっかくのアイデアが形にならないことも少なくありません。
まちづくりコンペの事例

まちづくりコンペは、地域課題を解決するための具体的なアイデアを競い合い、実現可能なプランを生み出す場として注目されています。
ここでは、全国で評価された取り組みをピックアップし、どのように地域活性化が実現されたのかを解説します。地域課題解決のヒントや次のステップにつながるアイデアを見つけてみましょう。
▼令和6年度都市景観大賞「都市空間部門・大賞」
天童温泉地区(山形県天童市)

天童温泉は1886年に田んぼの中からお湯が出たことから「田園の温泉」として知られ、自然に恵まれた地域です。しかし、高度成長期の無秩序な開発により原風景が失われ、団体旅行による囲い旅館経営がバブル崩壊後に需要減少するなどの課題がありました。
この状況に対し、「天童の森構想」に基づく環境整備が進められました。新たに天童温泉源泉櫓(10号源泉)を整備し、地域文化を継承するエリアを形成。街路空間と一体化させ、散策の拠点として既存の源泉や足湯を活用することで、温泉街全体の回遊性を高めました。また、舞鶴山の天童公園までの散策ルートを整備し、天童らしい自然豊かな都市景観を再構築しています。
さらに、産学官連携の調査や勉強会を重ね、市による街路整備と民間主導の夜間照明・足湯・植栽整備を実施しました。加えて、DMC天童温泉が四季を通じた体験プログラムを発信し、温泉街の魅力を向上させています。これらの取り組みが評価され、日本の温泉街再生のモデルとして高く評価されています。
◼︎課題:
全国区と同様に、高度成長期に各施設がバラバラに開発され、原風景が失われてしまっている。
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◼︎課題解決で行ったこと:
源泉の保守管理に必要な櫓や、天童木工の技術によるべンチ、水田を配置し、田植えや稲刈りの神事を設けることで、地域文化を継承し、温泉地の歴史を伝えるエリアを街路空間と一体的に天童らしい景観として形成した。さらに、ここを散策の拠点として、既存の3つの源泉を再評価し、同時に各旅館も独自の特徴を保ちつつ環境整備を行い、既存の足湯等の観光資源も含めて、点から線、面へと広がりを与え、当地区の街並みと景観の特色として形成した。そして、当地区から舞鶴山の天童公園までの散策ルートを結び付け、天童らしい情緒ある自然豊かな都市景観をつくり出しつつある。
(国土交通省・令和6年度「都市景観大賞」各賞の選定より抜粋)
◼︎株式会社DMC天童温泉が行った施策
▼宿泊してもらうための「目的」を作るための施策

▼付加価値向上に向けた施策

▼第1回先進的まちづくり大賞「国土交通大臣賞」
月岡温泉地区 「歩いて楽しい温泉街へ」空き家・空き店舗再生事業

月岡温泉は、かつて「新潟の奥座敷」として繁栄しましたが、バブル崩壊や旅行ニーズの変化、団体旅行の衰退により、旅館数や宿泊客が半減し、廃業した商店が景観を損なうなど衰退が進みました。
この課題に対し、平成26年の開湯100年を機に「歩いて楽しめる温泉街」づくりを推進。「湯めぐり手形」や「源泉の杜」整備、空き店舗活用を進めるミライズの発足など、宿泊客を街へ誘導する施策を展開したそう。
こうした地域資源を生かした持続可能な再生策が評価され、第1回先進的まちづくり大賞「国土交通大臣賞」を受賞しました。
◼︎課題とその背景:
旅館ホテルの大型化
飲食やお土産など旅館ホテルの自社施設内での顧客の囲い込み
町並み景観を無視した統一性のない開発
イベントや祭りなど一過性イベントばかりの打ち出し
実際の顧客に目を向けないで、旅行代理店だけを見たマーケティング活動を継続した結果、旅行形態や観光客の趣向の変化に対応できず全盛期は30軒以上あった旅館が半数以下の15軒になり、客数も年間約100万人が半数の約50万人まで減少した。同時に廃業した商店や旅館が温泉街に乱立して著しく景観を阻害している温泉街であった。
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◼︎取り組み:
「歩いて楽しめる温泉街」づくりをテーマとして、各旅館の風呂巡りができる「湯めぐり手形」の発行をはじめ、月岡温泉発祥の地をパワースポットとした「源泉の杜」などを整備と合わせて、ミライズが発足し、空き店舗の活用による個性的な店舗展開を行うことで、宿泊、日帰りを問わず、温泉街を歩く客は急増している。
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◼︎発現した効果:
県外観光客に対する新潟県自体の魅力的コンテンツの提供と周知、掘り起こし
温泉街自体の空き家や空き店舗を地元経営者が自ら再生することでの景観整備
地域住民や既存商店の意識改革の促進(危機感と景観に関する意識を変える)と協力体制の構築 など
月岡温泉の若手旅館経営者が設立した合同会社ミライズは、廃業店舗や空き家が増加し景観が悪化していた温泉街の再生に取り組んでいる。自社旅館に顧客を囲い込むのではなく、温泉街全体の回遊性を高めることを目的に、空き店舗や空き地を改修し、「新潟」をテーマにした体験型店舗として活用。補助金を使わず自前資金で1年に1店舗を再生し、現在9店舗を運営、10店舗目を開業予定である。小型店舗を点在させることで観光客の動線を工夫し、既存店舗への波及効果を生み出し温泉街全体の活性化に成功。この取り組みを他地域へも展開し、地域活性化を目指している。
(出典元:合同会社ミライズ(新潟県新発田市)

事例から何を得られるのか
これらの事例から私なりに紐解いた要点は以下のとおりです。
地域資源の再評価と活用
地域には、歴史や文化、自然といった貴重な資源が眠っています。これらの魅力を認識することが、持続的なまちづくりにつながります。
地域全体を巻き込む協力体制の構築
まちづくりは、一部の事業者や行政だけでは成立しません。地域住民や事業者の意識改革を促し、長期的に協力できる体制を作ることが、持続可能なまちづくりの鍵となります。
観光客の動線設計と体験価値の向上
観光客の「滞在時間」と「地域への経済効果」を高めるためには、街全体を楽しめる仕組みが必要です。地域全体の活性化につなげるには、まちへの滞在時間を延ばす視点も欠かせません。
実現可能なプランの重要性
まちづくりは、壮大な計画を立てるだけでは成功しません。持続可能な成長を実現するためには、無理のないスモールステップの積み重ねが重要です。
まちづくりコンペから得たアイデアを次に繋げる

まちづくりコンペで得られるアイデアは、単なる提案に留まらず、地域課題を解決する実践的なヒントや次のステップにつながる資源となります。しかし、これらのアイデアを実際に形にするためには、適切な計画と実行力が必要です。以下に、コンペで得たアイデアを次に繋げるための具体的なポイントを記載します。
地域の特性に合わせたカスタマイズ
ステークホルダーとの連携強化
実現可能な小さな一歩から始める
マーケティングとブランディングの視点を取り入れる
まちづくりコンペで得たアイデアを実現し、地域活性化を成功させるためには、専門的な知識やノウハウを持つパートナーの存在が重要です。当社HONEでは、地方に課題を感じている皆さまを対象に、マーケティングやブランディングの伴走支援を行っています。
HONEのサービスについて
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。
【記事を書いた人】

株式会社HONE
代表取締役 桜井貴斗
札幌生まれ、静岡育ち。 大学卒業後、大手求人メディア会社で営業ののち、同社の新規事業の立ち上げに携わる。 2021年独立。 クライアントのマーケティングやブランディングの支援、マーケターのためのコミュニティ運営に従事。
※本記事は一部AIを活用して執筆しています。
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