11人の島をなくさない。深島の暮らしと小さな経済をつなぐ伴走マーケティング支援【でぃーぷまりん(大分県佐伯市)】
クライアント
でぃーぷまりん
地域
大分県佐伯市
プラン
事業伴走プラン

人と自然と生きものが一緒に暮らす、小さな離島
深島は、大分県佐伯市の南端、蒲江港から定期船で約30分の場所にある小さな離島です。住民は11人。島にはコンビニ、病院、商店、自動販売機もありません。一方で、透明度の高い海、豊かな自然、島に受け継がれてきた食文化、人と人との近い関係があります。
近年は多くの猫が暮らす「猫の島」としても知られるようになりました。しかし、深島の魅力は猫だけではありません。船の時間に合わせて一日の流れが決まり、海でとれた魚を分け合い、子どもも大人も暮らしと仕事の境目なく島の日常に関わる。便利さとは別の豊かさが、現在も生活として残っています。
「でぃーぷまりん深島」は、そんな島の暮らしを未来へつなぐため、宿泊、飲食、特産品、体験を営んでいます。
1日1組限定の宿「innえびすねこ」、海を望む島唯一のカフェ、シュノーケリングやシーカヤック、伝統のみそ仕込み体験。島に代々伝わる麦みそ「深島みそ」は、今もかまどと薪を使い、手作業で仕込まれています。観光サービスと特産品販売を別々に考えるのではなく、深島の暮らしそのものに触れてもらう仕事としてつながっています。

目標は、観光客を増やすことだけではない
本件の出発点にあるのは「深島をなくさない」という、まっすぐな想いです。
人口11人の島では、一つの仕事や一人の担い手が失われることの影響が大きくなります。島で暮らし続けるためには、宿やカフェ、みその製造販売などを通じて、小さくても継続する経済をつくる必要があります。
一方で、限られた人数ですべてを運営しているため、来訪者や注文が増えれば増えるほど良いとは限りません。
猫の島として知られることで、深島を訪れる人は増えました。しかし、島は観光施設ではなく、住民の生活の場です。自然環境や猫の健康、島民の日常を守りながら、来訪者にも気持ちよく過ごしてもらう必要があります。
季節によって来訪が集中しやすいこと、定期船の便数に限りがあること、宿やカフェの受け入れ人数が小さいことも、一般的な観光地とは異なる条件です。
目指すべきなのは、単純な集客数の最大化ではありません。深島の価値を理解し、島の時間や暮らしを尊重してくれる人との接点を増やすこと。宿泊、食事、体験、特産品の購入を通して、島に必要な経済を無理のない形で育てること。そして、島外にいても深島を思い出し、応援し続けてくれる関係をつくることです。

現場の暮らしを理解することから始める
HONEでは、マーケティングを軸とした伴走支援を続けています。本件で大切にしているのは、外から正解を持ち込まないことです。
深島では、宿の運営、カ フェの仕込み、みそづくり、商品の梱包、情報発信まで、多くの仕事が家族と島民の手で行われています。数字やオンライン会議だけでは、どこに負担があり、何なら続けられるのかを正確に理解できません。
HONEのメンバーも実際に島へ滞在し、一棟貸しの宿やカフェ、深島みその製造・販売を手伝いながら、島の暮らしと事業がどのようにつながっているのかを確認しました。
現場に入ることで、非効率に見える手仕事が商品の価値になっていること、猫をモチーフにした印が深島らしさを伝えていること、宿泊者と食卓を囲む自然な交流が体験の核になっていることが見えてきます。
それらは、都会の事業と同じ基準で効率化すれば失われかねない価値です。残すべき手間と、軽くできる負担を見分けながら、島の生活と事業の両方が続く方法を考える必要があります。
「泊まる・食べる・買う・体験する」を一つの物語に
深島には、複数の魅力と事業があります。宿に泊まり、島の食事を味わい、海やみそづくりを体験し、帰宅後も深島みそを使う。その接点を一つの流れとして伝えることで、来訪者は観光スポットを消費するのではなく、島の暮らしを立体的に理解できます。
また、島へ来られる人数には限りがありますが、深島みそや情報発信を通じた関係には、地理的な制約を越える可能性があります。
深島みそは、島のばあちゃんたちが守ってきた製法を孫世代が受け継いだ商品です。味だけでなく、限られた水や作物の中で生まれた背景、かまどと薪による製法、島で暮らし続けるための仕事であることまで伝わると、一つの商品が島との接点になります。
HONEでは、深島で暮らす安部さんの想いや日常、深島みその歴史と手仕事を取材し、記事として記録しています。短期的な広告表現だけでなく、なぜこの島を残したいのか、何がここでしか得られないのかを丁寧に言葉へ残すことも、伴走支援の一部です。
「深島をなくさない」という目標に、単一の施策で到達することはできません。暮らしを守ること、来訪者との関係を整えること、商品を届けること、担い手の負担を抑えることを同時に考える必要があります。島の規模と時間に合わせ、無理なく続く小さな経済を育てるため、現在も伴走を続けています。
実施内容
● 深島の暮らし・事業・来訪者接点の現地理解
● 宿泊、カフェ、特産品、体験を横断した課題整理
● マーケティングを軸とした継続的な壁打ち・伴走
● 現地滞在を通じた運営・みそづくりの支援
● 島の暮らし、運営者の思い、深島みその取材・記事制作
クライアント情報
でぃーぷまりん深島 公式サイト:
HONE内の関連リンク
でぃーぷまりん深島「深島をなくさない。」あべさんの想いと暮らし
ばあちゃんか らの贈り物。深島みそが繋ぐ、島の未来。



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