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コンテキスト・リーダーシップを読んで。「最高の上司」と「最悪の上司」は文脈で決まる【書評】

  • 7月26日
  • 読了時間: 14分
コンテキスト・リーダーシップを読んで。「最高の上司」と「最悪の上司」は文脈で決まる【書評】


本記事では桜井が心に残ったパートを一部抜粋して、ビジネスや生き方に転用できる点、そして凝り固まった思考をほぐしてくれる気づきとしてまとめてみました。





優れたリーダーと凡庸なリーダーを分ける決定的な差とは


【本書より抜粋】 では例えば、あなたは「任せる」と「丸投げ」の違いを、「行為そのものの違い」として端的に説明できるでしょうか? 前者が、しばしば「最高のリーダーの行為」として称賛される一方で、後者は、しばしば「最悪のリーダーの行為」として批判されます。しかし、両者を「行為そのものの違い」として、誰もが合意できるように言葉で説明しようとすると、非常に歯切れの悪いものになってしまうことがわかると思います。 もし、この二つの違いを「行為そのものの違い」として明快に説明できないのであれば、自分が「任せる」つもりでやっている行為が、部下から「丸投げ」と捉えられたとしても何ら不思議ではありません。 両者の違いが「行為そのもの」によって生まれるのでなければ、では何によって生まれるのでしょうか。本書では、両者の違いは「文脈=コンテキスト」によって生まれる、と考える立場をとります。 同じような行為が、その行為が生まれる前後の状況や背景、上司と部下のこれまでの関係といったコンテキストによって、片や「最高のリーダーの行為」として意味づけされ、片や「最悪のリーダーの行為」として意味づけされる、ということです。つまり、最高のリーダーとは、コンテキストを読解し、編集することで、行為にポジティブな意味づけを与えているのです。 リーダーシップという現象は「行為そのもの」ではなく、部下による「行為の意味づけ」によって発現します。だとすれば、いくら「優れたリーダーの行為」を列挙し、それを模倣しても、リーダーシップの発現が期待できないのは当然のことでしょう。

この一説を読んだとき、マーケティングにおけるCEP(カテゴリー・エントリー・ポイント)と同じだと感じました。


カテゴリーエントリーポイント(CEP)とは、新しい市場に参入する際や新商品・サービスを展開する際に、消費者の心に強く印象を残すための戦略的なアプローチを指します。


具体的には、消費者が「特定のカテゴリー(シーン)」を思い浮かべたときに、最初に頭に浮かぶブランドや商品・サービスを目指すこと、です。これにより、消費者の購買意欲を高め、行動変容に繋げていくことで競合他社との差別化を図ることができます。


参考:カテゴリーエントリーポイント(CEP)とはなにか?事例、参考になる本/書籍を紹介



「優れたリーダーの行動」といった正解があるわけではなく、背景・文脈・状況によって同じ行動を取ったとしても正解は変わる、という意味と解釈しました。


流れを読む、タイミングを掴む、時流に乗る、といった言葉も近いかもしれませんが、まずこの前提を押さえなければ優れたリーダーシップは取れないということです。


優れたリーダーと凡庸なリーダーを分ける決定的な差とは


ナラティブとコンテキスト・リーダーシップ


【本書より抜粋】 コンテキスト・リーダーシップについて考えるとき、ナラティブという概念を抜きに語ることはできません。人間は、事実そのものよりも、それがどのような物語に位置づけられているのかによって、意味づけを行い、行動を決定します。 コンテキスト・リーダーシップとは、単に環境や状況を読み解くことではなく、それらを一貫した物語として編集し、人々に「自分たちはどのような物語の、どのような場面に立ち会い、そこでどのような役割を担っているのか」を腹落ちさせる営みでもあるのです。 (中略) 例えば、困難が予測される大規模プロジェクトのメンバーに選ばれたとして、あるメンバーは「名誉なこと、成長のチャンスだ」と捉えるかもしれませんし、あるメンバーは「不運なこと、家庭と健康にとってのリスクだ」と捉えるかもしれません。 リーダーは、こうした部下それぞれのナラティブを理解しなければなりません。そして、それらを一方的に否定するのではなく、尊重しながらも、組織全体が共有すべき大きなナラティブの中に統合していく必要があります。

この一説を読んでピンと来たことがあります。それはメンバーに同じフィードバックをしたとしても、人によって、またはタイミングによって全く違う反応をされることがある、ということです。


その際に、「あれ、この前と同じことを伝えているのに反応が違うな」と思ったときに、単純に言い方が違ったのかな?と思ったのですが、これは相手側のナラティブが違っていた・変わっていたということなんだと理解しました。


リーダーシップやマネジメントは決まったFAQがあるわけではなく、ナラティブが変わることでフィードバックの仕方も変えなければならないという当たり前に気づくことができました。



コンテキスト・リーダーシップは「世界を単純化しすぎない勇気」の実践


【本書より抜粋】 したがって、コンテキスト・リーダーシップにおいては「多様性に関するリテラシーと感性」が重要になってきます。 部下が紡ぐナラティブは、個人の性格、文化的背景、世代、性別、家庭環境、社会経験などによって大きく異なります。リーダーが自らの価値観だけを基準に相手の物語を読み取ろうとすると、誤解や摩擦が生じ、せっかくの編集の試みが「押しつけ」や「同化の強要」として受け止められかねません。 一方で、多様性を「文脈を豊かに彩るための情報」として感受できるリーダーは、状況をより立体的に捉え、部下の描くナラティブを「共有されるコンテキスト」として編み込むことができるでしょう。これは組織のパフォーマンスを高める上で決定的に重要なポイントです。なぜなら、異なる視点が交差するところにこそ、意思決定の質を高めるヒントが潜んでいるからです。 (中略) 不確実性が高まり、社会や組織の前提条件が急速に変化する時代において、リーダーに求められるのは、強い意志で他者を引っ張る力ではありません。同じ情景を見ていても、そこに自分とは異なるナラティブを見出す他者がいることを前提に、それらの多様なナラティブを丁寧にすくい上げ、「いま、ここ、私たち」というコンテキストを共同で編み出す力です。 その基盤となるのが、多様性に対する繊細な感性に他なりません。 コンテキスト・リーダーシップとは、言い換えれば「世界を単純化しすぎない勇気」の実践なのです。そして多様性への感性とは、その勇気を支える感覚器官なのです。

マーケティングにおける、ターゲットを策定する際にユーザーのバックグラウンド(顕在している欲求、ペイン、インサイトなど)を知ることは大切だと心得ていましたが、それらはリーダーシップ・マネジメントにおいても流用できるのだと理解しました。


これまでのリーダーシップは強い意志と影響力でチームを束ねてきましたが、どうもその一辺倒ではうまくいかないぞということも感じていました。その足りないポイントが、ここで書かれている「世界を単純化しすぎない勇気」であり、「多様性に関するリテラシー」なんだということがわかりました。


多様性とは異なる意見や思想を持つことだけでなく、時期やタイミングによって異なる・変わるナラティブやコンテキストを常に読み取るようなセンサーが必要なんだと解釈をしました。


複雑化の教育論では「未決状態に耐える力=知性」と表現されていましたが、それらに近い「定まっていないものを受け入れる度量」のようなものを感じました。


参考:『複雑化の教育論』教育とは?成熟とは?知性とは?教育をさせるすべての人に贈る希望の書【前編】




自己認識能力=セルフ・アウェアネスの重要性


【本書より抜粋】 今日、リーダー育成の世界において、セルフ・アウェアネスは最も重要性の高いアジェンダの一つとなっていますが、これを裏返せば、それほど多くのリーダーがセルフ・アウェアネスについて大きな課題を持っている、ということでもあります。 例えば米国の組織心理学者、ターシャ・ユーリックが行った研究では、95%のリーダーが「自分の自己認識能力は高い」と考えているのに対して、本当に高い水準の自己認識能力を持っているリーダーは全体の10〜15%でしかないことがわかっています。 つまり、ほとんどの人は、自分の自己認識の能力を大幅に過大評価しているということです。これではコンテキスト・リーダーシップの発揮など、望めるはずがありません。 ユーリックは、自己認識を「アウトサイド・イン」と「インサイド・アウト」という二つの視点で考えるように勧めています。 「アウトサイド・イン」とは「他者が自分をどう理解しているか=外的自己認識」という視点、「インサイド・アウト」とは「自分が自分をどう理解しているか=内的自己認識」という視点です。 (中略) 外的自己認識力が弱ければ、自分が相手にどのような影響を与えているかに無自覚になってしまい、コンテキストを操作することはできません。また、内的自己認識がなければ、自分の言葉や振る舞いは、説得力を持たないチグハグな「演技」になってしまい、やはりコンテキストを操作することはできないでしょう。

外から見えている自分と、自分自身が認識している自分、という中で、私は前者があまりうまくできいないなぁと思っています。


厳密にいうと、外から自分がどう見られていようがあまり興味がない、ということでもあるのですが、それが結果的に「こんな風に思われていますよ」「こんな噂が立っていますよ」なんて外から漏れ聞くことがあります。


正直、半分くらいは噂話なので興味がないのですが、自分の預かり知らないところで勘違いされてしまっていたり、誤った解釈で評判が悪くなってしまっていた、ということもあるため気をつけていきたいところです。


言葉が少なかったり、説明が足りていないこともあるため、自分の言動に対する意図はきちんと伝えないといけないな(対話から逃げてはいけないな)と少し反省しました。


自己認識能力=セルフ・アウェアネスの重要性


まとめ:コンテキスト・リーダーシップとは「読む力」と「編む力」


【本書より抜粋】 リーダーとは、変化の波を読み取り、それに意味を与え、組織を動かす存在です。単に外部環境に適応するのではなく、変化そのものを「文脈の更新」として受け止め、自らの目的・物語・構造を再編集していく。そこに必要なのは、戦略的な洞察力だけではなく、社会・文化・歴史・技術といったマクロ・コンテキストの読解力です。 言い換えれば、コンテキスト・リーダーシップとは、マクロ・コンテキストの変動を「読む力(Sensing)」と、それに応じて「編む力(Transforming)」の統合体です。 リーダーが時代の文脈を誤読すれば、どれほど優れた戦略も意味を失います。逆に、マクロ・コンテキストを精確に読み取り、自らの組織やキャリアを再構成できる者は、環境変化のただ中でこそ輝きを放つのです。 ダイナミック・ケイパビリティとは、変化を恐れるのではなく、変化そのものを自らの成長エネルギーに変える力です。それは一過的な「柔軟性」ではなく、構造的・文化的な「変化耐性」のことです。 そして、コンテキスト・リーダーシップとは、その力を個人や組織のレベルで体現する営みです。リーダーは、マクロ・コンテキストの波を読み、意味を与え、組織を編み替える編集者であり、変化の時代においては、その編集力こそが最大のリーダーシップ資源となるのです。

時流を読んで、編んでいくというのはまさにマーケティングもそうだなと納得しました。


市場環境や競合の動き、消費者の欲求などの潮目を見て、自分たちが今行くべきなのか、少し立ち止まるべきなのかを見極める目を持つこと(読む力)。


そして発信する際はどんな文脈で想起されたいのか?どんなポジションを取るべきなのか?を自分自身の言葉で語り、メディアや消費者の発信の力を借りながら多く、広く認知してもらう活動(編む力)。


読むだけでは何も動かないし、編むだけでは徒労に終わることがある。双方が噛み合わないと結果が出ない。日々、精進して続けていきたいと思います。


まとめ:コンテキスト・リーダーシップとは「読む力」と「編む力」


HONEは地域に根ざし、現場に足を運ぶマーケティング会社です。


日本の地方には、魅力的な商品・サービスがたくさんあります。


地方に根ざしたブランドの志や文化、人々の誇りや営み。HONEはそうした人たちの想いを価値に変えるべく、現地に出向いてきました。 私たちは、文化と経済の「骨」を設計し、地域の「らしさ」を未来へつなげる仕組みを育てます。 論語と算盤。想いと仕組み。美学と実行力。 その両立を、マーケティングの力で実装していきます。


HONEは地域に根ざし、現場に足を運ぶマーケティング会社です。


▼HONEにできること


語られていない価値の「骨」を探す

商品や地域の中にある「想い」や「背景」は、まだ言語化されていないだけかもしれない。 それらを丁寧にすくい上げ、ブランドの芯として翻訳します。 見落とされがちな隠れた価値に役割を与えることが、事業の骨格をつくるはじまりです。


現場に入り、五感を使って「骨」を磨く

戦略も仕組みも、現場を歩き、対話することから始まります。 地形、歴史、空気、人の言葉やまなざし。デスクリサーチでは捉えきれない情報を五感で受け取り、定量と定性、論理と情緒、ロマンとそろばんを掛け合わせて、設計に落とし込みます。


手を動かしながら、「骨」を強くする

支援とは、プランを出して終わりではありません。 現場に入り、泥臭く、時に失敗しながら共につくりあげていきます。 頭で考えて、手足を動かす中で生まれる「実感」こそが、骨を太くし、しなやかに持続する構造を育てていきます。


文化となる「骨格」を、未来へ残す

目指すのは、ただ売ることではありません。 地域に根ざした文化や営みに芯を通し、事業として持続可能なかたちに育てていくこと。短期的な成果ではなく、関わる人たちの誇りとなり、語り継がれていく仕組みをデザインします。 HONEは、経済と文化をつなぐ骨を共につくり、未来へと残していきます。


▼HONEにできること


▼HONEの強み


01/一貫サポート

戦略設計から実行〜検証まで。経営課題の整理から、現場を動かす具体的な仕組みづくりまでを、一貫して支援します。リサーチ・企画・実装・振り返りのすべてに伴走し、商品・サービスの価値を再定義しながら、現場に根づく事業を共につくります。目指すのは、短期的な成果だけでなく、文化が息づき、長く続く事業と地域のかたちです。


02/現場主義

デスク上、リモートワークでは見えない、地域の空気や人の温度に触れる。HONEは現地に足を運び、実際に現場の風景・人の営みに向き合いながら、これまでの現場で得た経験則を元に戦略・戦術に反映していきます。現在起こっている事実に基づく分析はもちろんのこと、解釈に現場の五感で得た気づきを重ね合わせ、実装へとつなげていきます。


03/全国実績

北は北海道、南は沖縄まで、一次産業から観光、教育、行政、ベンチャー、スタートアップ、アトツギなど、多種多様なプロジェクトに携わってきました。たくさんの地域を見てきたからこそ、それぞれの良さに気づくことができます。そして土地に根付くその事業の「らしさ」を、より鮮明に見つけることができます。全国各地で積み重ねた知見を、次の挑戦に活かします。


04/産学官連携

企業・教育機関・行政と手を取り合い、対話を重ねながらプロジェクトを推進しています。 単なる連携にとどまらず、それぞれの立場が持つ知見や資源を持ち寄り、地域に根ざして実装していくこと。 現場での実践と、学びの場での理論、そして制度や仕組みをつなぐ橋渡しとして、多様なセクターの信頼を得ながら取り組みを展開しています。


▼HONEの強み


なぜ今、“地方”でマーケティングが必要なのか


マーケティングという言葉には、しばしば「スケールする」「売上を伸ばす」といったイメージが付きまといます。しかし、地方において本当に必要なのは、そうした直線的な成長だけではありません。人口減少、担い手不足、そしてインフラや情報環境の未整備。多くの地域が、さまざまな制約の中で日々の営みを続けています。


制約が多いからこそ、その土地に根ざした価値を継続し、文化や人々の想いを循環させていくための工夫が欠かせません。マーケティングの論理をそのまま持ち込むのではなく、人肌を大切に、想いを大切に、未来へとつなげていく。実装力と創造力を備えた「地方のマーケティング」が必要です。


なぜ今、“地方”でマーケティングが必要なのか


地方に必要なのは、「地域理解」


こうした現場においてまず必要なのは、「何をどう売るか」よりも先に「この地域には何があるのか」「何を残していきたいのか」を知っていく姿勢。つまり「地域理解」です。ブランド構築の土台を固めるには各レイヤーごとに把握すべきポイントを理解することが重要です。


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【記事を書いた人】


プロフィール

株式会社HONE

代表取締役 桜井貴斗


札幌生まれ、静岡育ち。 大学卒業後、大手求人メディア会社で営業ののち、同社の新規事業の立ち上げに携わる。 2021年独立。クライアントのマーケティングやブランディングの支援、マーケターのためのコミュニティ運営に従事。

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