地域を動かす事業計画とは?地方自治体との連携を深める視点と実践例
- 桜井 貴斗

- 7月22日
- 読了時間: 8分

地域に根ざした事業を立ち上げるとき、避けて通れないのが「地方自治体との連携」です。
補助金や助成金の申請、地域課題への貢献、既存の施策との整合。事業計画書は、単なる提出書類ではなく、こうした連携の質を左右する重要なコミュニケーションツールです。
本記事では、自治体側の視点も踏まえながら、「地域に共感され、共に動き出す」ための事業計画のあり方を紐解きます。
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地方自治体と連携する意義とは?
地域で新しい事業を始めるとき、欠かせないのが「地方自治体との連携」です。自治体は、地域が抱える課題をよく理解していて、さまざまな制度や予算を使って、地域づくりをサポートしてくれます。

自治体と連携することは、資金面だけでなく、地域からの信頼や事業の継続性を高めるうえでも大きな意味があります。
自治体が重視する事業計画の視点
自治体と連携して事業を進めるには、「どんな視点で計画を立てるか」がとても大切です。
特に以下の3つは、多くの自治体が重視しています。
地域性と課題解決

事業が、こうした地域の課題とどうつながっているのかを示すことがポイントです。
持続可能性(サステナビリティ)
「補助金が終わったら終わり」では、自治体も支援しづらくなります。たとえ初期はサポートを受けても、長期的に自走できる収益モデルや体制が見えているかどうかが重要です。
つまり、地域に根づき、ずっと続いていく仕組みになっているかどうかが問われます。
波及効果と連携性
その事業が、地域全体にどんな広がりを生み出すのかも重要なポイントです。
<例>
ほかの地域資源や既存の取り組みとうまくつながっているか
住民、企業、学校、NPOなどいろいろな人や組織と一緒に取り組める仕組みになっているか
地域経済や雇用、観光、教育などに良い影響が広がっていく可能性があるか
自治体が支援したいのは、「一部だけの成功」ではなく、地域全体にプラスの波を起こすような計画です。
事業計画を立てる際のポイント
地方自治体と連携する事業計画では、担当者に「これなら応援したい」「地域にとって必要だ」と思ってもらえることが大切です。
そのためには、説得力と実現可能性を兼ね備えた内容が求められます。ここでは、特に意識したい4つのポイントをご紹介します。
明確な目的とビジョンの設定
「なぜこの事業をやるのか」「地域にどんな変化を生みたいのか」
まずはその想いと目指す未来を、わかりやすく伝えましょう。
<例>
地域経済の活性化
高齢者の見守りや移動支援
子育てしやすい環境づくり
地域の課題と自分たちの事業がどうつながるかを具体的に書くことがポイントです。
さらに、事業が成功したときに「地域がどう変わっているか」というビジョン(将来像)まで描けると、自治体側の理解も深まります。
徹底した市場分析と競合優位性
どんなニーズがあるのか? どんなサービスがすでにあるのか?
地域や業界の状況を、データに基づいて丁寧に分析しましょう。

そのうえで、強みを伝えましょう。
独自性、価格設定、技術力など、自社ならではの価値を示すことが重要です。SWOT分析(強み・弱み・機会・脅威)を使って整理するのもおすすめです。
事業推進体制とサービスの具体性
「誰が、どのように進めるのか?」という体制の説明も重要です。
事業メンバーの役割分担や専門性
外部パートナーや協力機関との連携体制
実施スケジュールやマイルストーン(進行段階の目安)
KPI(達成状況を測る指標)
あわせて、提供する製品やサービスの中身や流れもわかりやすく伝えましょう。
価格や提供方法、使い方のイメージまで丁寧に説明すると、実際の運用が想像しやすくなります。
写真や図解、プロトタイプがあれば、資料に入れて伝えるのも効果的です。
根拠のある財務計画
どんなに素晴らしいアイデアでも、「本当に実現できるのか?」というお金の見通しがなければ、自治体は支援しづらくなってしまいます。
だからこそ、現実的で根拠のある財務計画を示すことがとても大切です。
たとえば、次のようなポイントを明確にしましょう。
どれくらいのお金が必要なのか(総額)
そのお金は何に使うのか(設備費・人件費・運転資金など)
どうやって調達するのか(自己資金、融資、補助金など)
短期的な収益だけでなく、5年後、10年後といった中長期の展望も示しましょう。市場の変化に応じた拡大計画や、新製品・サービスの構想、事業承継の見通しなどを記述することで、事業がもたらす地域への波及効果を明確に伝えることができます。
リスク分析と対応策
事業には必ずリスクが伴います。市場の変化、競合の出現、法改正、自然災害など、想定されるリスクを洗い出し、それらに対する具体的な対応策を提示することで、計画の実現性と経営者の危機管理能力を示すことができます。
最悪のシナリオも考慮に入れた上で、事業の継続性をどのように担保するのかを伝えましょう。
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自治体と連携した事業の成功事例
地方自治体と連携し、事業計画を成功させた事例を紹介します。地方が抱える課題を、技術や制度を活用して解決しようとしている事例です。
AGRIST(アグリスト)株式会社

テクノロジーで農業課題を解決し、100年先も続く持続可能な農業を推進するスタートアップ「AGRIST株式会社」。
自動収穫ロボットや、AIサポートする予測結果出力アプリなどを通し、人材不足の解決に対するソリューションを提供しています。
また、需要予測と連動した最適出荷を行うことで、ドライバー不足や食品ロス対策にも貢献しています。
これまで、公民連携でスマート農業を全国展開し、国内外で20以上のアワードを受賞、農水省のSBIRプロジェクトで11億円の事業に採択された実績があります。
全国でスマート農業を展開し、沖縄県名護市ではソリューションを活用した観光農園を新設。観光業との連携による新たな観光資源と特産品の開発、企業誘致や人材育成の場所として活用されるなど、地域ビジネスとしても拡大しています。
株式会社スペック

徳島県の上勝町はゼロ・ウェイスト宣言を掲げ、2020年にそのシンボルとして「上勝町ゼロ・ウェイストセンター」を開業しました。
株式会社スペックは、ゼロ・ウェイストプロジェクトの企画・提案から立ち上げに携わり、ごみを出さないクラフトビールづくり、ごみ分別体験ができる宿泊施設、豊かな自然を楽しむ体験アクティビティなどの事業を展開しています。
この事例では、官民共同でイニシアティブをとり、循環型社会を目指している様子が伺えます。また、民間企業の立ち位置で、どのように環境、過疎化、経済などの問題に向き合うかについてヒントを与えてくれます。
成功事例から学ぶこれからの事業計画作成
社会情勢や技術革新、そして地域が抱える課題は変化します。地方自治体が推進する政策や国の方向性を理解し自身の事業に組み込むことが、連携の可能性を高める鍵となります。
現代の事業計画には、単なる収益性だけでなく、社会貢献性や持続可能性といった視点が強く求められます。
単独での事業展開だけでなく、地域住民、既存事業者、NPO、教育機関など、多様なステークホルダーとの連携を通じて、どのような相乗効果を生み出すかを具体的に示しましょう。
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まとめ
事業計画書は、単なる提出書類ではありません。
そこには、「なぜこの地域で、なぜ今この事業をやるのか」という、事業者の思いが込められているとよいでしょう。
地域の課題にしっかり向き合いながら、自らのビジョンと地域の未来をつなぐ一歩として、
本記事で紹介したポイントを参考に、説得力と実現可能性のある計画をつくってみてください。
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。
【記事を書いた人】

株式会社HONE
代表取締役 桜井貴斗
札幌生まれ、静岡育ち。 大学卒業後、大手求人メディア会社で営業ののち、同社の新規事業の立ち上げに携わる。 2021年独立。 クライアントのマーケティングやブランディングの支援、マーケターのためのコミュニティ運営に従事。
※本記事は一部AIを活用して執筆しています。








