【地方事業者のための】HONE式オケージョン戦略。助成想起から選ばれるブランドへ -文脈起点ワークブック-
- 13 分前
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そもそも、なぜこのワークブックをつくろうと思ったのか?について少し触れておこうと思います。
昨今マーケティング業界でもホットワードである「CEP」「オケージョン」「文脈」について、大手の事例ばかりで「地方ビジネスにおいて解説している人がほぼおらず、この有益なロジックを転用できていないのではないか?というところから「つくってみよう」と思い、はじめてみました。
このワークブックは、地方で事業を営む事業者さんが「選ばれるブランド」になるための実践的なフレームワークとなっています。
どんな業種でも使える「6つのステップ」を通じて、皆さんのブランドが持つ独自の価値を言語化できることを目的としてつくりました。
「文脈起点マーケティング(と勝手に呼んでいます)」に焦点を当て、助成想起からブランドを成長させる道筋を示していきます。
それでは、なぜ今「文脈起点」が重要なのか?から解説していこうと思います。
株式会社HONEでは過去のセミナー資料、お役立ち資料、会社紹介資料がダウンロードできます。
目次
①「No.1=第一想起」ではなく、「考慮集合」を目指そう
②文脈(CEP)こそがブランドの成長を左右するドライバーとなる
③想起はゼロサムゲームではない
なぜ「文脈起点なのか?」 地方ブランドが直面する3つの現実

なぜ今、地方ブランドにとって「文脈起点」が重要なのでしょうか。それは、地方ブランドが直面する3つの厳しい現実があるからです。
まず、現実の1つ目は「95:5ルール」です。
未顧客戦略では以下の通り解説されています。
「95:5ルール」とは「任意の時点でカテゴリーを購買し得る潜在顧客は全体のわずか数%に過ぎず、残りの大部分はそもそも市場にいない」というものです。 どういうことかと言うと、例えばあなたのブランドが属するカテゴリーでは平均して5年に1回、買い換えが起こることがわかっているとします。 そうすると、任意の1年で買い換える人は単純計算で全体の20%、任意の四半期だと約5%になります。つまり四半期の間に需要が発生して一度でも市場に入ってくる潜在顧客は全体の5%程度であり、残り95%はまだ市場にいない未顧客(潜在顧客ではあるが今は需要がない)というわけです。 出典:未顧客戦略
特定のカテゴリーを今すぐ購入する可能性のある顧客は全体のわずか5%に過ぎません。残りの95%は「未顧客(一度も買ったことのないお客さん)」であり、彼ら・彼女らが購入を検討する「ふとした瞬間」に思い出されるかが勝負を分けます。

2つ目の現実が「想起のJ字カーブ」です。
知名度の低いブランドは、いくら努力しても純粋想起(とあるカテゴリーを思い浮かべて自社ブランドのことを思い浮かべてくれること)、つまり「何もヒントがない状態で思い出されること」はほぼゼロのままであることを以下のように「J字」になっていることから名付けられました。

一般的に、知名度の低い小さなブランドの場合、助成想起の数値は調査手法や時期によってある程度変動するのに対し、純粋想起はゼロに近い数値のまま推移します。新商品などでは特に顕著で、これを想起の「フロア効果」と言います(Sharp,2017)。 逆に知名度の高い大きなブランドの場合、純粋想起は動きますが、助成想起は常に高いままです。こちらは「天井効果」と呼ばれます(Sharp.2017)。 つまり、小さなブランドが純粋想起を見ていても変化を検知できない可能性が高く、大きなブランドが助成想起を見ていても変化を検知できない可能性が高いわけです。従って理論的には、小さなブランドは助成想起、大きなブランドは純粋想を見ることになります。 出典:未顧客戦略
しかし、助成想起、つまり「ヒントがあれば思い出されること」はアプローチ次第で大きく動かせると言われています。
そして3つ目の現実が「消費者が商品を購入するタイミングになった時点で何を買うかが8割型方決まっている」という点です。

最新のモバイル型アイトラッキング機器を用いたあるスーパーマーケットでのフィールド研究によると、「比較などは一切行わずお目当てのブランドを一直線に買う」という選択行動が店頭購入の約7割を占めることが明らかにされています(Machin et al. 2020)。 つまり棚の前で「今日はどれにしょうかな」と悩んだり、機能やコスパを比較したりするケースも3割程度はありますが、大半の消費者は「いつものブランド」を直接的に取りに行っているわけです。事前想起がなければ、このような選択行動は物理的に不可能です。 英オックスフォード大学のフェリーペ・トーマス教授とWPP Media の共同研究では100万件以上のカスタマージャーニーデータ(10年分、72のメディアタッチポイントを含もりを分析し、「市場に入ってくる前に購入意思決定が事実上済んでいる」と考えられるケースが実に84%を占めることを速報として伝えています(Thomaz et al, 2025, Bowden.S. 2025)。 ブランド選択の大部分は未顧客期間に決定しており、顧客期間(購買時)に競合と奪い合いになる“未決”のカスタマージャーニーは16%程度しかいないということです。 出典:未顧客戦略
消費者が購買を検討する「文脈」に入った時点で、すでにブランド選択の7〜8割は決まっています。つまり、購買の瞬間ではなく、日常の「ふとした瞬間」にどれだけ想起されるかが、地方ブランドの成長には不可欠なのです。
これらの現実を踏まえ、私たちは何をすべきなのでしょうか?具体的にどのように取り組むのか、どんな考え方が必要か、について次の章で解説していきます。
6ステップで 「選ばれるブランド」 へ

先ほどの3つの現実を踏まえ、このワークブックでは「選ばれるブランド」になるための6つのステップをまとめました。
ステップの内訳はまず、自分たちの「らしさ」を定義するところ(STEP1)から実際にコンテンツとしてユーザーに届けるところ(STEP6)までを一気通貫で設計しています。
各ステップはそれぞれ独立しているわけではなく、相互に影響し、前のステップで得られた結果が、次の重要なインプットとなります。
例えば、STEP1で「自分たちの軸」を明確にし、STEP2で「ユーザーのリアルな声」を聞くことで、STEP3で「自分たちの価値が言語化」ができます。そして、その価値提案を基に、STEP4で「どんな時に思い出されたいか」という文脈(オケージョン)を絞り込み、STEP5で「具体的な想起方法を設計」します。最後に、STEP6でそれらを「日々のコンテンツやタッチポイント」に落とし込んでいく、そんなイメージです。
この一連の流れを実践することで、どんな業種・業態の地方ブランドでもブランドの強みの言語化が可能となります。
それでは、最初のステップである「自分らしさの定義」から詳しく見ていきましょう。
【STEP1】自分らしさを定義する
最初のステップは「自分らしさを定義する」ことです。

すべてのブランド活動の起点は「自分たちは何者なのか」という問いから始まります。ここがブレると、どんなに良い施策を打っても一貫性がなくなり、ユーザーに伝わりにくくなります。
※MVVをより詳しく知りたい、定義、説明は弊社の以下の記事をご覧ください。
▼MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)とは?MVVの定義・事例・依頼する際の費用を解説
このステップでは、MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)と、ブランドエクイティ・ピラミッドを使って、ブランドの「骨格」を定めていきます。
MVVを端的に解説すると、ミッションは「なぜこの事業をやるのか」、ビジョンは「どんな未来を実現したいのか」、バリューは「日々の行動指針」です。
これらがブランドの根幹をなすものとなり、その後のブランドエクイティ・ピラミッド(価値の設計図とも言われます)では、ブランドの「本質」から、機能的価値・情緒的価値、そして具体的な特徴までを整理します。
※ブランドエクイティ・ピラミッドをより詳しく知りたい方は弊社の以下の記事をご覧ください。
▼セルフブランディングはブランドエクイティピラミッドをつくることから始めよう。
この「自分らしさ」が曖昧なまま文脈設計に入ると、どの文脈にも中途半端に手を出してしまい、結果としてどの文脈でも思い出されないブランドになってしまいます。
まずは、自分たちのブレない軸をしっかりと定めることが、選ばれるブランドになるための第一歩となります。
次に、この自分らしさを踏まえ、ユーザーのリアルな声に耳を傾けていきましょう。
【STEP2】ユーザーのファクトを掴む(定量・定性調査)
ステップ1で自分たちの軸を定めたら、次のステップでは「ユーザーのファクトを掴む」ことです。

私たちはつい「お客様はこう思っているはず」という思い込みで物事を進めがちです。しかし、それでは本当のニーズを見誤っていることも数多くあります。
ここでは定量調査と定性調査の両面から、エビデンスに基づいたユーザー理解を深めていきます。
そもそも定量調査と定性調査で何を把握すべきか?でいうと、以下の通り言語化されると思っています。
定量調査:「どれくらいの人が、どの程度知っているか」を数字で把握する 定性調査:「どんな時に、どんな気持ちで、なぜ選んだか」という文脈を深く理解する
定量調査では、アンケートや購買データ、Web解析などを通じて、「どれくらいの人が、どの程度知っているか」を数字で把握します。
一方、定性調査では、デプスインタビューや行動観察、SNSリスニングなどを通じて、「どんな時に、どんな気持ちで、なぜ選んだか」という文脈を深く理解します。
※調査設計についてより詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
▼【基本のキ】地方マーケティングにおける調査(マーケティングリサーチ)設計について。
ここでの重要な視点が売上の分散説明率を見ると、「過去の利用経験や購買習慣が約47%を占める」一方で、「自社のマーケティングミックスの寄与」は約23%に過ぎません。

自社ブランドへの態度による売上の分散説明率は、8%程度であることが読み取れる。競合ブランドへの態度を加えても約16%。過去の利用経験や購買習慣(Purchase Inertia)が分散の半分近く(46.8%)を占めている。 ブランドに対する態度とは別のところで、過去の行動が現在の行動を大きく左右することを示している。消費者はブランドに対する態度的ロイヤルティがなくても、習慣的に過去の選択を繰り返す傾向が強い、行動ロイヤルティの影響が大きい(Ehrenberg et al., 2004; Jones, 1990a)。 出典:戦略ごっこ
つまり、ユーザーの「過去の経験と習慣」を理解し寄り添うことが、新しい施策を打つこと以上に重要であることを示しています。
ユーザーのファクトを深く理解することで次のSTEP3であるバリュー・プロポジションの策定へと進んでいけるというわけです。
【STEP3】バリュープロポジションを策定する
STEP 2でユーザーのファクトを掴んだら、いよいよSTEP3ではバリュープロポジションを策定します。

バリュープロポジションとは「自分らしさ」と「ユーザーのファクト」が交差する場所に、独自の価値提案を見出すことです。
バリュープロポジションキャンバスは、顧客が達成したいこと、悩み、得たい成果を明確にし、それに対して自社の商品やサービスがどう貢献できるかを整理するフレームワークです。
地方ブランドの皆さんは、地域の文化や歴史、人との関係性といった「ここでしか得られない価値」を強みにできます。
※バリュープロポジションをより詳しく知りたい方は弊社の以下の記事をご覧ください。
▼【マーケティング初学者向け】バリュープロポジションとは?具体的な事例や使い方を解説します。
大切なのは、単なる差別化ではなく「考慮集合に入るため」に策定することです。
▼考慮集合とは? 顧客が商品・サービスを購入する際に、数ある候補の中から最終的な選択肢として真剣に検討する「ブランドや製品のリスト(通常1〜5つ程度)」です。多くの選択肢から「買う気」のあるブランドに絞り込まれた集合であり、ここに入らないと選ばれる可能性は極めて低くなります。 ※日本インフォメーション株式会社より流用
地方ブランドはいきなりNo.1を目指すのではなく、特定の文脈で「リストの3番目くらい」に入ることを目標にしましょう。
このバリュープロポジションの設計が、次のステップでユーザーオケージョンを発掘する際の羅針盤となります。
【STEP4】ユーザーオケージョンを発掘し、 自社らしい入り口を選ぶ
バリュープロポジションが明確になったら、STEP4では「どんな時に思い出されたいか?」を具体的に絞り込んでいきます。

これがCEP、つまりカテゴリーエントリーポイントの設計です。
CEPには物理的環境、社会的環境、時間的視点、タスクの定義、先行状態という5つの切り口があります。
例えば、地方のクラフトビールなら「海辺のBBQで飲むビール」や「週末の自分へのご褒美ビール」といった文脈が考えられます。
※カテゴリーエントリーポイントをより詳しく知りたい方は弊社の以下の記事をご覧ください。
▼カテゴリーエントリーポイント(CEP)とはなにか?事例、参考になる本/書籍を紹介
自社らしい入り口を選ぶ際は、MVVとの整合性、ユーザーファクトとの合致、競合よりも優位性のある文脈か、そして「習慣が途切れる瞬間」を捉えているかを基準にしてください。

カテゴリーヘビーユーザーは日々の行動を無意識のうちに行っています。 どうして無意識に行動できるような習慣が成り立っているのか?という視点で読み解くと、無意識な行動の中に行動の契機となる文脈や目的、そしてそこから何が想起されたから、どのような行動に至り、どんな報酬を得ているのか、という構造を読み解けます。 以上のように、カテゴリーヘビーユーザーのカスタマージャーニーを逆算することで、商品やサービスの利用を習慣化させていくために必要な要素を見つけ出せます。 出典:未顧客戦略
この文脈の選定が、ブランドの命運を決めると言っても過言ではありません。
次に、この選んだ文脈でどう助成想起を獲得するかを設計します。
【STEP5】助成想起の獲得方法を設計する (3つの脱落を防ぐ)
選定したユーザーオケージョンで助成想起を取るするためには、STEP5で「3つの脱落ポイント」の設計が必要となります。

まず、広告を見てもブランドが思い出されない「広告からブランドの脱落」。
この対策は、開始数秒で「どこの誰か」がわかるようにすることです。地方ブランドは特に、大手のイメージCMを真似せず、徹底した「自己紹介が必要です。
大手はすでに助成想起ができている状態なので、「自分たちは何屋で、何を売っていて、どんな機能的価値がある」ということが伝わっています。だからこそ情緒的な(ストーリーが伝わる)CMが響く、と言えます。地方ブランドはまず「自分たちは何屋で、何を売っていて、どんな機能的価値がある」からはじめていきましょう。
次に、文脈と商品属性が合わない「文脈(具体的なシーン)から属性の脱落」。
狙ったCEPと商品の見た目や機能がターゲットととって魅力的に映るかどうか?を確認し、「利用文脈と商品属性の掛け算」で文脈価値を高めていきましょう。逆にターゲットに「自分には関係ないかも」と思われてしまうとダメなので注意が必要なポイントです。
最後に、広告で見たのに店頭で見つからない「広告から店頭の脱落」です。
広告と店頭で同じ「アンカー(覚えていること、または思い出すきっかけ)」はあるか、店舗で見つかりやすい工夫(例:パッケージや色、キャッチコピー、POPなど)はできているか、ブランドの独自資産を使って、ユーザーの購買行動をスムーズに繋げることはできているかを考える必要があります。
例えばYOLUが「ナイトケアビューティーブランド」という想起をとった時、トリガーは「夜」でした。広告でも店頭でも夜を想起させることがブランドのトリガーになったのではないかということです(しかし、その後夜カテゴリーは競合他社も参入して激化することになりますが)。
これらの脱落を防ぐことで、選ばれるブランドへと近づくことができます。そして、いよいよ最後のステップです。
【STEP6】コンテンツ・タッチポイントへの落とし込み
いよいよ最後のSTEP 6です。
ここでは、設計した文脈価値をユーザーが実際に触れるあらゆる接点、つまりコンテンツ(ブログやSNS)やタッチポイント(店頭・Webサイト・広告)に一貫して展開していきます。

SNS投稿では「こんな時にどうぞ」といった文脈提案を、LPでは特定のCEPに特化したストーリーテリングを、Webサイトではブランド全体の世界観を表現します。店頭やパッケージでは、広告とのアンカーリンクを意識し、CEPを想起させるデザインが重要です。
コンテンツ設計の3原則は、一貫性、文脈性、そして継続性です。
すべてのタッチポイントで同じ独自資産を使い、「商品の良さ」だけではなく「どんな時に役立つか」を軸にメッセージを届け、まずは「月に1回は100人に思い出される頻度」を目標に設計していきましょう。これで、文脈起点マーケティングの6ステップが完了です。
習慣の壁を突破する「ハレ」と「ケ」の戦略
消費者の最大の敵は「習慣」です。
脳は考えることをサボりたがるので、私たちは「いつものやつ」をオートパイロットで選んでしまいます。ここに割り込むのは非常に難しい。

神経科学分野の研究によると、習慣形成には大脳基底核が重要な役割を担っているそうです(Webb et al. 2024)。 ただし、習慣的な行動と目的志向の行動では関与する領域が異なり、習慣的な行動は背外側線条体(DLS)、目的志向の行動は背内側線条体(DMS)により制御されているそうです。 それがマーケティングにどう関係するのかというと、「環境が変わった時」や「いつもと異なる文脈で行動する時」「報酬の予測可能性が変化した時」などは脳が習慣モードから抜け出し、選択肢を広く再検討する目的志向モードに切り替わる可能性が高くなると考えられます。 出典:未顧客戦略
前回のスライドでコンテンツの落とし込みを話しましたが、そのコンテンツが「習慣の壁」をどう突破するかが重要です。
人間には「ハレ」と「ケ」というモードがあります。

旅行や引っ越し、プレゼント選びなど、環境が変わったり、いつもと違う文脈に直面したりすると、脳はオートパイロット(自動運転=)を解除し、新しい選択肢を検討し始めます。
地方ブランドにとっての王道は、この「ハレ」の非日常を入り口にすることです。お土産やギフトといった文脈で一度選ばれ、そこから徐々に日常使いへと浸透させていく。
この流れが習慣の壁を突破し、ブランドを定着させるための戦略になっていきます。
実践チェックリスト6ステップの振り返り
これまでの6ステップを再度振り返ってみましょう。

上記チェックリストで、抜け漏れなくブランド戦略を進められているかを確認してもらえたらと思います。
▼それぞれのポイント
STEP1:「自分らしさの定義」では、MVVやブランドエクイティピラミッドが言語化され、チームで共有されているか
STEP2:思い込みではなく、定量・定性データに基づいたユーザー理解ができているか
STEP3:バリュープロポジションは、差別化ではなく「考慮集合に入る」視点で設計されているか
STEP4:CEPの5つの切り口で文脈を洗い出し、自社らしい入り口を絞り込めているか
STEP5:3つの脱落ポイントへの対策と独自資産の定義はできているか
STEP6:各タッチポイントで一貫した独自資産を使い、文脈価値を軸にしたメッセージを発信できているか
このチェックリストを使い、ぜひご自身のブランド戦略を振り返ってみてください。
【まとめ】100人に「月1回」思い出されるブランドになろう
最後に、このワークブックで最もお伝えしたかった3つのメッセージをまとめて終わりにします。

①「No.1=第一想起」ではなく、「考慮集合」を目指そう
地方ブランドは「No.1=第一想起」ではなく、「考慮集合」というリアルな戦い方を目指すべきです。
純粋想起ではなく、助成想起を狙っていきましょう。 小さなブランドが純粋想起をKPIにすると、施策の効果が見えにくくなります(なぜなら第一想起を撮るのはとても時間とコストがかかり長期戦になるからです)。
一方で助成想起はアプローチ次第で数字が動くため、地方ブランドのを運用する際にわかりやすい指標となります。
②文脈(CEP)こそがブランドの成長を左右するドライバーとなる
次に文脈(CEP)がブランドの成長を左右します。
ビールカテゴリーなら「とりあえずビール」ではなく、「海が好き&大切な人への贈り物」という文脈なら(ちょっとニッチですが)、地方の新規クラフトビールブランドが考慮集合に入れる可能性は十分にあります。
漠然とした文脈ではなく、「どんな時に思い出されたいか」を絞り込むことが重要です。
③想起はゼロサムゲームではない
そして、最後に「想起はゼロサムゲーム」ではありません。競合が思い出されたとしても、同時に自社ブランドも「リストの3番目(考慮集合)」に入っていれば、選ばれるチャンスは巡ってきます。

消費者は棚に並ぶ全ての商品を見比べてくれるわけでも、ECサイトの商品ページを隅から隅まで読んでくれるわけでもありません。ブランド選択というのは常に不完全情報の中で行われるゲームなのです。 このことを説明するために、消費者行動研究で広く受け入れられている「二段階モデル」に当てはめて解説を続けます。 二段階モデルというのは、消費者はまず市場に存在する多数のブランドを単純なヒューリスティックスによって絞り込み(例:価格、セイリエンス)、その中から最終的に購入する商品を選ぶと仮定した職質行動モデルで、マーケティングサイエンスの研究でもよく使われています(Brady& Rehbeck, 2016; Bronnenberg & Vanhonacker, 1996; Gallego & Li, 2024; Manzini &Marioth, 2014: Van Nierop et al, 2010)。 平たく言えば、ブランド選択プロセスを「考慮集合に入るまでの想起段階」と「考慮集合から取り出される選択段階」の2つに分けて考えてみようということです。 前者は「ある生活感で需要が発生した時にブランドが想起されるか」というメンタルアベイラビリティの話、後者は「その中でどれくらい選ばれやすいか」というフィジカルアベイラビリティの話だと思ってください(既存顧客の場合は相対的なプレファレンスの話)。理論上はさらに細かい段階や分岐を考えることもできますが、実務家はこの2段階だけ考えておけば十分です。 出典:未顧客戦略
100人が100人とも「一番好き!」と言われる必要ありません。好きな人に見つけてもらい、選んでもらえるブランド戦略を構築していきましょう。
このワークブックが、皆さんのブランドの「骨」をつくる一助となれば幸いです。
最後に告知(実践リアルイベント)
以上のワークを実践するイベントを2026年3月26日16時〜静岡市で行います。
より詳しく理解したい、実践方法を知りたい方はぜひ足を運んでいただけたら嬉しいです。
【3/26(木)16時〜】新規顧客開拓を本気で考える実践会 ‐地域ビジネスの未顧客戦略‐ HONE桜井さん
未顧客を動かせ。”新規顧客開拓”を静岡で本気で考える。
「集客がうまくいかない」
「広告を回しても伸びきらない」
「SNSをやっているが、手応えがない」
その違和感の正体に迫ります。
本セミナーでは、地方の文化と経済を両立した骨太な事業を、マーケティングで支援する株式会社HONE の代表 桜井貴斗氏を講師に迎え、地域ビジネスにおける新規顧客開拓、【未顧客戦略】を徹底解説します。
理論の紹介だけではなく
なぜ未顧客なのか
なぜ地方ほど重要なのか
静岡の事業者はどう落とし込めばいいのか
自社や支援先の事業に明日から活用できる考え方を、地域ビジネスに実装する視点で、お伝えします。
本気で自社事業を変えたい方
新規事業の成功確率を上げたい方
クライアント支援の質を一段上げたい方。
最後に、講師の桜井さんから「その覚悟がある方だけ、ご参加ください。」
<概要>
日時: 12026年3月26日(木)16:00〜18:00 (開場:15:30)
会場: ヒトヤドホール(静岡市・人宿町)
定員: 30人参加費: 2000円
<内容(仮)>
● 地方ビジネスにおける未顧客とは何か・「顧客」ではなく「未顧客」から考える理由・地方市場の構造的特徴
● 理論をどう地域に落とすか・抽象理論を静岡ビジネスに翻訳する・実践で使える思考フレーム
● 本気のディスカッション・表面的な施策ではなく、構造から考える・経営者視点での問い直し
※内容に変更がある可能性があります。
<タイムテーブル>
15:30 開場
16:00 自己紹介・本日のゴール
16:10 未顧客戦略の理論解説
17:00 地方ビジネスへの落とし込み
17:40 質疑応答・対話
18:00 終了
<こんな方におすすめ>
● 新規顧客を増やしたいが、今の打ち手に限界を感じている方
● あの理論を読んだが、自社にどう活かすか悩んでいる方
● 地方で本気のマーケティング議論をしたい経営者・責任者
● クライアント支援のレベルを引き上げたいマーケター
<持ち帰れるもの>
● 未顧客という視点で自社を捉え直す力→「顧客」前提の思考から抜け出し、本当に見るべき市場が明確になる
● 地方ビジネスに落とし込むための実践フレーム→抽象理論を静岡の現場に翻訳する具体的な考え方
● 施策に振り回されない戦略軸→なぜそれをやるのかを説明できる、一本通った判断基準
● 自社を変えるための次の一手→明日から見直すべきポイントと、動き出すための具体アクション
もしこの記事を読みながら、「うちのブランドの強みってなんだろう」「どんな価値を届けたいのだろう」などと感じることがあれば、HONEにお気軽にご相談ください。
HONEは地域に根ざし、現場に足を運ぶマーケティング会社です。
日本の地方には、魅力的な商品・サービスがたくさんあります。
地方に根ざしたブランドの志や文化、人々の誇りや営み。HONEはそうした人たちの想いを価値に変えるべく、現地に出向いてきました。 私たちは、文化と経済の「骨」を設計し、地域の「らしさ」を未来へつなげる仕組みを育てます。 論語と算盤。想いと仕組み。美学と実行力。 その両立を、マーケティングの力で実装していきます。

▼HONEにできること
語られていない価値の「骨」を探す
商品や地域の中にある「想い」や「背景」は、まだ言語化されていないだけかもしれない。 それらを丁寧にすくい上げ、ブランドの芯として翻訳します。 見落とされがちな隠れた価値に役割を与えることが、事業の骨格をつくるはじまりです。
現場に入り、五感を使って「骨」を磨く
戦略も仕組みも、現場を歩き、対話することから始まります。 地形、歴史、空気、人の言葉やまなざし。デスクリサーチでは捉えきれない情報を五感で受け取り、定量と定性、論理と情緒、ロマンとそろばんを掛け合わせて、設計に落とし込みます。
手を動かしながら、「骨」を強くする
支援とは、プランを出して終わりではありません。 現場に入り、泥臭く、時に失敗しながら共につくりあげていきます。 頭で考えて、手足を動かす中で生まれる「実感」こそが、骨を太くし、しなやかに持続する構造を育てていきます。
文化となる「骨格」を、未来へ残す
目指すのは、ただ売ることではありません。 地域に根ざした文化や営みに芯を通し、事業として持続可能なかたちに育てていくこと。短期的な成果ではなく、関わる人たちの誇りとなり、語り継がれていく仕組みをデザインします。 HONEは、経済と文化をつなぐ骨を共につくり、未来へと残していきます。

▼HONEの強み
01/一貫サポート
戦略設計から実行〜検証まで。経営課題の整理から、現場を動かす具体的な仕組みづくりまでを、一貫して支援します。リサーチ・企画・実装・振り返りのすべてに伴走し、商品・サービスの価値を再定義しながら、現場に根づく事業を共につくります。目指すのは、短期的な成果だけでなく、文化が息づき、長く続く事業と地域のかたちです。
02/現場主義
デスク上、リモートワークでは見えない、地域の空気や人の温度に触れる。HONEは現地に足を運び、実際に現場の風景・人の営みに向き合いながら、これまでの現場で得た経験則を元に戦略・戦術に反映していきます。現在起こっている事実に基づく分析はもちろんのこと、解釈に現場の五感で得た気づきを重ね合わせ、実装へとつなげていきます。
03/全国実績
北は北海道、南は沖縄まで、一次産業から観光、教育、行政、ベンチャー、スタートアップ、アトツギなど、多種多様なプロジェクトに携わってきました。たくさんの地域を見てきたからこそ、それぞれの良さに気づくことができます。そして土地に根付くその事業の「らしさ」を、より鮮明に見つけることができます。全国各地で積み重ねた知見を、次の挑戦に活かします。
04/産学官連携
企業・教育機関・行政と手を取り合い、対話を重ねながらプロジェクトを推進しています。 単なる連携にとどまらず、それぞれの立場が持つ知見や資源を持ち寄り、地域に根ざして実装していくこと。 現場での実践と、学びの場での理論、そして制度や仕組みをつなぐ橋渡しとして、多様なセクターの信頼を得ながら取り組みを展開しています。

なぜ今、“地方”でマーケティングが必要なのか
マーケティングという言葉には、しばしば「スケールする」「売上を伸ばす」といったイメージが付きまといます。しかし、地方において本当に必要なのは、そうした直線的な成長だけではありません。人口減少、担い手不足、そしてインフラや情報環境の未整備。多くの地域が、さまざまな制約の中で日々の営みを続けています。
制約が多いからこそ、その土地に根ざした価値を継続し、文化や人々の想いを循環させていくための工夫が欠かせません。マーケティングの論理をそのまま持ち込むのではなく、人肌を大切に、想いを大切に、未来へとつなげていく。実装力と創造力を備えた「地方のマーケティング」が必要です。

地方に必要なのは、「地域理解」
こうした現場においてまず必要なのは、「何をどう売るか」よりも先に「この地域には何があるのか」「何を残していきたいのか」を知っていく姿勢。つまり「地域理解」です。ブランド構築の土台を固めるには各レイヤーごとに把握すべきポイントを理解することが重要です。

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【記事を書いた人】

株式会社HONE
代表取締役 桜井貴斗
札幌生まれ、静岡育ち。 大学卒業後、大手求人メディア会社で営業ののち、同社の新規事業の立ち上げに携わる。 2021年独立。クライアントのマーケティングやブランディングの支援、マーケターのためのコミュニティ運営に従事。







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